#戦記 の作品
百合の間を引き裂く(物理)がいる世界
殺戮怪物・デストロイヤーが出現した。危機に陥った人類は団結し、十五歳前後の少女のみに扱える武器を開発し、それを扱える少女達は「衛士」と呼ばれた。これは衛士訓練校での少女たちの物語である
プリムスの伝承歌—宝石と絆の戦記—
少年は戦う。愛する国と大切な人を取り戻すために。宝石と魔法、人々の思いが交錯するファンタジー戦記。
ウィンクリア・ルナーエは『いらない王子』だった。
魔法の力を宿す「宝石」をもって繁栄してきた国、ルナーエ。
女王君主制により王位継承を持たない第一王子ウィンクリアは、建国当初から続く悪しき弊風により不遇な扱いを受けていた。
愛する両親と双子の妹、護衛騎士クラルスに助けられながら心優しい少年に成長する。ウィンクリアとクラルスは互いに信頼しており、心の支えになっていた。
女王である母から告げられる「宝石」の秘密。同盟国の不穏な動き。ある日を境にウィンクリアの日常は急転することになる。
全てを受け入れるにはまだ幼い、『いらない王子』と蔑まれた少年は、それでも愛する人たちのために剣を取る。
最強の獣人傭兵は、子供を拾って聖女になって。〜終戦で暇になった、その先の物語〜
この世界には二つの種族がいる。
一つは人間。そしてもうひとつは獣人。
兄弟王のいさかいをきっかけに始まった百年戦争、その只中に生を受けた獣人、ラッシュ。
傭兵としてひたすら戦い続けてきた彼に突如として訪れた、親代わりだったギルド長の死、そして終戦。
自由という文字すら学んでいなかった彼の元に現れたのは、人間の子供だった。
ここから始まる、傭兵獣人のもうひとつの物語。
さすらいの怪力武士、織田信菜に仕える
「腹が……減った」
最後に何かを口にしたのは何日前だっただろうか。
世は戦国時代。
俺は主を失ったさすらいの武士である。
つまるところ無職だ。
三郎丸と名乗っている。
力に自信はあるので、なんとか武功を示したいところなのだがな……。
このあたりは、織田家の領地だ。
当主の信長は、うつけ者として有名らしい。
うつけ者であれば、名家の出身ではない俺でも雇ってくれるかもしれない。
そんなことを考えつつ、道を進んでいく。
ちょうど、織田家と今川家の武力衝突の場面に出くわした。
織田家が劣勢だ。
少女が窮地に陥っていたので、俺は織田家に加勢した。
そして……。
「いい? 三郎丸とやら。あなたは間違って覚えているようだから、教えてあげるわ!」
少女がそう言って、腰に手をあてる。
何やら偉そうなポーズだ。
「この尾張の当主は、この私。織田信菜よ!」