ホラー•スリラーの作品
人から聞いた話 パート2
キャッチコピー
「ヒトコワ」
世の中には様々な考えを持ち、自分の意思を断固として貫く人々がいます。
それは天才か、鬼才か、変態か……。
僕が人から聞いた、断片的な記憶を頼りに書いてみます。
ヒトコワシリーズの第二弾です。
夢みるようにあなたと
「あれが後ヶ島(のちがしま)ですよ、君嶋さん」
「後ヶ島、それは?」
「浦島の太郎はあそこで亀を助けたらしいですよ」
その時、曇り空から太陽の陽が奇岩を照らし出した。
「神秘的な光景だ」
「人魚伝説はこの光景をもって生まれたんでしょうね、ただこの地方では死を呼ぶ尼の方が有名ですが」
都会から過疎地域の母の実家の村に引っ越してきた小川十裳美(ともみ)。十裳美は全生徒数9人の学校へと転校することになり、そこで同じ年の少年、藤原充男と出会う。充男はこの村の宗教家の跡取り息子だった。小さな村は古代宗教の信仰に支えられ、皆、仲良く、平和だった。しかし、時は、この古代宗教の村では運命の日が迫っていた──。
イラスト:@misaki_86__