急遽、三ツ橋高校の生徒と取材をすることになった。 現役女子高生の赤坂 ひなただ。 先週、アンナと花火大会に行ったばかりだというのに、今週も予定が埋まるとは……。 なんか今年の夏は忙しいな。 そんなことを思いながら、博多行きの列車に乗り、地元の駅から二つ離れた梶木駅で降りた。 ホームに降りると、すぐに見慣れた女の子が目に入る。 「センパ~イ! 久しぶりです!」 元気いっぱいに両手を振る。 動きやすそうなミニ丈のデニムスカート。 それにへそ出しの白いチビTを着こなしている。 お腹を出すことに躊躇いがないということは、それだけ自分の身体に自信があるということだ。 靴は動きやすいスニーカー。 ボーイッシュなショートヘアを活かした彼女らしいファッションコーデだ。 なんというか、見ていてとても眩しい。 陽に焼けたが小麦色の肌が健康的で、生き生きとしている。 リア充て感じ。 「よう。悪い、待ったか?」 「いえ、私梶木民なんで、家はすぐ近くだから」 白い歯をニカッと見せて、微笑む。 「そうか。じゃあ、さっそく“海ノ中道線”に乗り換えるか」 「はい! 新宮センパイと久しぶりの取材。すっごく楽しみにしてます!」 そう言えば、こいつと取材したのは、もう二カ月ぐらい前か。 ※ 梶木駅から海ノ中道線というローカル電車に乗り換え、しばらくすると、海が見えてきた。 潮の香りが窓から流れてくる。 「海だぁ~ あ、見てください、センパイ!」 そう言って、イスの上に膝をのせる、ひなた。 外の景色に夢中で、無防備だ。俺の顔あたりに尻を向けている。 つまりは、見えちゃっている。 シマシマのおパンツが。 「センパイ~ 海キレイですねぇ」 「ああ」 確かに君はいつもパンツがキレイだし、柄も変えない。ブレないとこ嫌いじゃないよ。 それから、以前アンナとも来たことがある、海ノ中道駅で降りる。 前回は、駅を降りると目的地である海ノ中道海浜公園が目の前だったが。 マリンワールドは逆方向にあるから、ちょっと歩くことになる。 真夏の炎天下の中、歩くのは結構しんどい。 「あはは! 私、マリンワールド大好きなんですよ! イルカさんとか、ペンギンさんとか、小学生の頃から月一で通ってます♪」 「へえ。以外だな。ひなたは動物好きなのか?」 「見えませんか? 私、小さい頃から家にペットたくさん飼っているんですよ~ トイプードルとペルシャネコ。あと、ニシキヘビ!」 「え……」 なんかしれっと怖い動物の名前が紛れ込んでいたような。 「そうだ! 今度、うちにも遊びに来てくださいよ、センパイ!」 「そ、そうだな……犬は嫌いじゃない。犬はな」 「約束ですよ♪」 ちょっとその取材は勘弁願いたいな。 しばらく歩くと、大きな扇形の建物が目に入る。 海ノ中道海浜公園の敷地内にある水族館。 マリンワールドだ。 夏休みということもあってか、家族連れ、若い学生たちが多く感じる。 受付でチケットを購入しようと並ぶ。 しかし、ひなたは年間フリーパスを持っているらしく、 「センパイだけ買ってください」 と断られた。 一人虚しく、受付で生徒手帳を出し「高校生一枚」と注文する。 するとカウンター越しから 「2500円になります」 と回答が出た。 たっけぇ! 映画二回も見れちゃうじゃん。 渋々払い終えると、隣りで同じくチケットを一枚買う女性が目に入る。 ハンチング帽にサングラス。大きなマスクで顔を隠しているようだ。 それに真夏だというのに、トレンチコートを羽織っている。 不振な奴だったので、じっと見つめていると、俺の視線に気がつき。 「ハッ!?」 なんて大きな声を出す。 そして、そそくさと入口に逃げるように、走りさっていく。 「ん? なんだあの子……」 あれか、レズビアンでミニスカのお姉ちゃんでも盗撮したい変態な子かな。 後ろ姿を目で追っていると、ひなたに注意された。 「センパイ! なにやってるんですか? チケット買ったなら早く入りましょ」 「ああ、そうだったな。水族館なんて小学生以来だよ」 俺がそう言うと、なぜか彼女は喜んでいた。 「えぇ! じゃあ実質私と来るのが、初めてみたいなもんですね♪ フフッ、今日は最高のデートを体験しましょ」 上機嫌になったひなたは、俺の腕を引っ張り入口へと進んでいく。 微乳をグリグリと肘に擦り付けて。 あぁ~ 俺の股間から、激しい水しぶきが飛び散りそうだぜ……。
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