Primitive Story Side L〜語られることなきもう一つの始まり〜
第零章 第一節 目覚めし神々しき者

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「ーそうか。了解。すぐ行く。」 〘どうした琉雅?〙 ここは神界。かつて神々が住んでいたこの世とは異なる時空に存在する世界。その中にあるとある円卓には1人の少年と神々しく輝く球体がいた。 「ーどうやら例の御方が見つかったそうです。」 〘〘〘おお!〙〙〙 球体は神々。かつての戦いで肉体を奪われ、この神界より出ることが叶わなくともその力を維持し続ける者たち。彼らは歓喜する。これまで神話に語られることがなかった全ての神々の主たる存在に。 「では失礼。私はこれより現場に向かいます。」 〘承知した。頼んだぞ。〙 「畏まりました。では。」 そうして少年は消えていく。彼が向かうは忘れ去られし時空の果て。そこに眠る偉大なる主の一欠片を開放する。 「へー、ここに眠ってたのかぁ。」 『そうみたいだな。やつのことだ。自らの力を極限まで使って人族からの感知を逃れたんだろう。』 「そうみたいだね。力が弱くなってる。これは早く開放してあげないと。頼むよ。フーズ。」 『ああ!任せろ!』 放たれる力。体の底から溢れるそれに万能感を得る。そして力を纏め形を成す。そして顕現する雄々しき龍の顎。 『「喰い破れ!ヴァニシングロック!」』 俺と相棒の声が重なり龍はその封印を噛み砕く。 バリバリバリ!バリーン! ガラスのような音をたてながら壊れる結界。そして小さくとも絶大な神々しき光が溢れ出す。 〘どうやら時が来たようだ。〙 『ったく!自分の力まで消耗して!なんで俺たちに起こさせるんだよ!』 「おいおいフーズ。そんな言い方はないだろ。」 〘そうですよフーズ。我らが子の言うとおりです。〙 『琉雅!お前はこいつの肩を持つのか!?それにてめぇもさらっと我らが子とか言うな!』 目覚めて早々、どうやらフーズも片割れの復活に興奮しているようだ。 〘ではこれからお願いしますね。琉雅。〙 「あぁ、よろしく頼むよ。」 そうして僕の中に神々しき者が宿る。次の瞬間、体に溢れる絶対なる力。フーズとは違う力の奔流を感じる。 「これが、君の力なんだね。アシェリスタ。」

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