2034
14 マイクロチップを取り外せ

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 ヒナタ達は六本木に着くと、まっすぐ自警団のオフィスに向かった。 「総長、いますかー?」 「おお、ヒナタか。いきなり春もヨシキも連れてサイレントヒューマンの村に行くなんて言うからびっくりしたぞ。みんな戻ってきて良かった」 「いきなりすみませんでした。実は村に帰って、春さんとヨシキ君のマイクロチップを外してたんです」 「は?」 「こちらのさくら先生がマイクロチップを摘出してくれたのよ。痛くなかったし傷跡も全然残ってないの」 と春は言った。 「マイクロチップ?マイクロチップってみんな体にいれてあるあれのことか?それを外しただって?」 「このクリーチャー事件の大元はマイクロチップにあるんじゃないかというのが俺の直感です。マイクロチップでなんらかの通信して人間を操っているんじゃないかと」 「おお。すっかりマイクロチップが身体に入っているなんてことすらとっくに忘れていたな。あれってでも確か外したら特区に居られなくなるんじゃなかったか?」 「はい、そうです。マイクロチップ埋め込みが特区に住める条件です。父から聞いた話だと15年前に自分達はマイクロチップの埋め込みを拒否して山麓に移住したと聞きました。それから自分達は人としての権利を色々と剥奪され、サイレントヒューマンと呼ばれるようになったと」 「今ではサイレントヒューマンってのは単にヤバい思想の持ち主で非国民な奴らって認識しかないけど、確かにこの分断のもともとのきっかけはあのチップだったな」 「うちらはうちらで特区の住人は思考停止した人たちばかりだと思っていますけどね。ここに来る時車の窓から見ましたけど、やっぱりみんな表情がうつろでしたわ」 とさくらが言った。 「わたしも山麓に行って思ったわ。山麓の人達はみんな優しくて、明るくて、仲良しでとても人間的だったわ。テレビで見てたイメージと全く違ったわ」 と春が言った。 「まぁそうだな。こっちの住人の方が思考停止したロボット人間ばかりだよな。今思うとチップが今の窮屈な管理社会の始まりだったかもな。あれからどんどん変なことが起きてきた。俺もあの頃は半グレやりながら、社会の権力にさからったりしてたけど、チップについてはなんの疑問持たなかったんだから、要するに、俺も思考停止してたってことだな」 「これは俺の直感なんですけど、今回の怪奇事件は政府がしくんでるんじゃないかと思ってるんです。もしくは誰かしくんでいるのを政府が後押ししてるとか」 「俺もなそこはそう思ってるんだよ。警察の動きがどうも鈍いんだ。なんか怪しいんだ」 「そうですよね。俺のところにもいつ来てもおかしくないのにまだ来ないですよ。防犯カメラにも映ってるし、目撃者だっているのに。ま、そのうち来るだろうけど」 「うん、早くチップ摘出の闇診療所開設だ」  とさくらが意気揚々に言った。。 「なるほど。それで先生もこっちに来たってわけか。よし、さくら先生。俺のマイクロチップも摘出してくれ。このまま指食えて見てたらお先真っ暗な社会だ。命かけて事件の真相を暴くぞ!」 「よし、そうこなくちゃ!さすが総長!」 「総長、それでその診療所の場所探さなきゃいけないんですけど、あまり目立つ場所じゃなくてこっそりやれるようなところ・・」 「分かった。このビルの下のオフィスが空いてるから自由に使ってくれ。ここなら目立たないし、比較的安全だろう。シャワーもあるから寝泊まりにも使ってくれていい。」 「え!ほんと?やったぁ。ありがとうございます!」 さくらは嬉しさのあまり総長にハグした。

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