私は白線の上に立つ。 「用意は出来ましたか?」 いいタイミングで先生の声が響く。 よし、始めるか。 まあ、今は負けといていいかな。 「両者構えて!初め!」 この合図で始まった。 始まった瞬間、アイツは消えた。 どこ行った? 痛いのは嫌だし、避けないとな。 「後ろか!」 私は前に走った。 すると、次は前に気配があった。 あれだけ体力が保つのか? 言ってなかったが、あいつの尻尾や耳を見ると、ライオンに見える。 つまり獣人特有の身体能力なのだろうか? アイツの能力はなんだ? 私は一度止まって、周りを見る。 「神谷〜!攻撃しろよ!」 と言われる。 ただ、何の能力かがわからない以上、技を出せない。 相手の弱点を探らなければ。 獣人に魔法系の能力は受け継げない筈だ。 なら、獣人にとって扱いやすい能力は、、、、身体強化か。 鑑定すれば早いけど、能力を見極めることも大事だし、、、、 真上にいる。 もちろん、避ける。 「おい、なんで当たんねーんだよ!」 なら、私も攻撃しようかなぁ〜 身体強化ならアレでいいかな。 よし決定。 すると、私の額の模様が怪しく光った。 『結界』 「いってぇ〜!!」 そして、ガンガンと結界を叩き出した。 割れるわけないのに。 哀れな。 コレって時間制限とかあるのか? まさかどちらか負けるまでだったら消耗戦になるんだけど、、、、 パパッと終わらさせよう。 『結界の矢』 急に結界が矢のような形をする。 コレは私ならではの技である。 「うお!急に攻撃かよ!」 だが、攻撃は当たらなかった。 彼が防御をしたからである。 すると、桜の声が聞こえる。 「狩宮くんは防御がレベル6なの〜!」 レベル6か、、、、 負けで良いか。 面倒臭いし。 なんせ私は、レベル3だしね。 すると、聞き覚えのある声が鳴り響いた。 「美琴!頑張って!」 桜からの応援か、、、 私の額の模様の色はさっきは紫だったけど、今は黒に変わった。 一発で終わらせようか。 それとも、負けようか。 転入して初めての戦いだ。 コレで勝ったら次々戦いを挑んでくる奴が来るだろう。 ただ、負けると一生舐められるだろう。 どちらがいいだろうか? ん? 真上か! 今、考えている時に限って、、、 「何で人間なのにこんなに気づくのが早いんだよ!」 「ねえ、黙ってよ。」 いちいちうるさい。 それに敵だからね。 当たり前だけど、少し冷たくしとく。 まあ、理由としては多分彼はクラスの陽キャの一人だろう。 だから勝っといて損はないだろうから。 『黒穴』 その名の通り、穴だ。 終わりのない、深い深い真っ黒な穴だ。 さあ、コレを見てどんな反応をするかな? 「うわ!なんの穴だろう?」 アイツ、、、、バカ? うん、多分脳筋部類の単純バカだろう。 コレに関してはしょうがない。 『始動』 すると、周りが黒穴に吸い込まれていく。 そして、アイツは焦り出した。 「ヤバい!体が吸い込まれていく!」 そりゃそうだろうな。 黒穴だし、、、、 そして、とうとう吸い込まれそうになった時、、、、、 「ギブギブ!!俺の負けだ!」 『停止』 『消去』 私は黒穴を消した。 しばらく沈黙が走った後、みんなが騒ぎ出した。 「すげ〜」 「あんなの初めて見た。」 「私もやってみたい!」 と話している声が聞こえた。 やっと、終わった、、、、、
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