イマジナル・ファシリティー
「僕の名前は『黒月』だよ。

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そもそも情報が欲しいのならそれなりの報酬を支払わなければならないはずなのであるからそれが目的でやってきたと考えるのが普通であるはずなのに違うらしいのである。 つまり彼女たちは情報を対価として渡すつもりはないと言っているも同然なのだが一体何を要求してくるつもりなのだろうと考えながら相手の様子を窺っていると意外な事に向こうから先に話を切り出した。 それも予想外の言葉を口にしたことから驚かされることになるとは思ってもいなかったので動揺してしまった。 何故ならその要求とは、私を殺害する事だと言われた時は全く理解出来なかったのだがその後の話の内容を聞いているうちに段々と理解できてきた気がしたのは良いとしても本当にそんな事ができるのかと疑いたくなったのは当然の事だと思う。 何故なら目の前にいる人物は見るからに華奢な体をしていてどこからどう見てもただの人にしか見えなかったからである。 だからこそ、そのようなことができるとは思えなかったし信じたくないという思いがあったのは間違いないだろうがそれを否定できないのも事実だと言えただろうと思えるほどの現実感がある光景を見せつけられてしまったわけであるがそれでもなお信じられない気持ちで一杯になっていたわけだがやはり無理がありすぎると言わざるを得なかったのだが私はここで初めて相手が本気であるという事を理解する事になったのだ。 それはまるでスイッチを切り替えるかのような仕草を見せた瞬間彼女の顔つきが変わったように見えたので驚きながらもその様子を眺めていると明らかに雰囲気が違うように思えたのでもしかしたら見た目通りの年齢ではないと思えてきたがだからと言って驚くことではないのかもしれないと思ってしまいそうになるくらい落ち着いていたのだからある意味感心してしまったのだが、それ以上に恐ろしかったのであまり見ないようにしていたが不意に声をかけられてしまうと反応せずにはいられなかったのだ。 すると突然私の体が震え始めたのである。 もちろん寒いわけではなかったしむしろ熱いくらいで額に汗が出てくるほどだった。 だがそれは次第に強くなっていき遂に耐えられなくなってしまった私は意識を失ってしまったのだった。 最後に見えた景色は私の目の前に立って私を見下ろしていた彼女の顔だったように思うのだがその顔は笑っているように見えるのだった。 しかし私にはもう考える余裕など残ってはいなかったのではあるが私は気を失う前にこう思うことになるとは思っていなかったのである。 何故なら私はすでに殺されていたのだということに気がつけないまま死んでいったからなのである。 そして私はそのまま二度と目を覚ますことなくこの世を去っていくことになったのだが死ぬ間際に聞いた言葉が誰の声だったのかはわからないが確かに聞こえた言葉は覚えているから忘れることは無いであろうと確信していたからこそこの記憶は大切にしようと思えたのだということも付け加えておくとしようではないかと考えていた矢先に目が覚めるという経験をすることになるとは思わなかったのだが、それにしてもどうして生きているのか疑問でしかないと思ったと同時に私は自分の胸に手を当てて確かめてみたところ傷ひとつ無い事を確認して安堵することができたので安心したところで状況を把握するために周囲を見回してみるとどうやら病室にいるようであった。 どうやらあの後私は助けられて治療を受けたということなのかと思ったが状況がよく飲み込めなかったので混乱していると急に声をかけられたことで私はびっくりしてしまったのだが声の主を確認するとそこに立っていた人物の顔を見てすぐに誰だか理解できたのはいいがなぜこんなところにいるのだろうかと考えてしまっていたのだがその人物こそがこの事件を起こした張本人だったのだから驚いたどころの騒ぎではなかったのである。 しかしそこでようやく冷静になって考えてみると今自分が置かれているこの状況を考えれば答えは簡単だったのである。 つまりそういう事なのだろうと思ったのだった。 なのでこれ以上余計な詮索はしない方がいいだろうと思ったのだがそれと同時にこのまま何も知らない振りを続けるわけにはいかないという考えも浮かんできてしまったのもまた事実だった事からどうしたものかと思いながら考えているとその答えはすぐに出ることになったのである。 それは簡単な話であった。 というよりもそれしかないという言い方の方が正しいと言えるかもしれないと考えた時に突然ドアが開いて誰かが入ってくるのが見えたのでそちらの方に視線を向けていると現れたのは彼女であった事に気がついた瞬間に全てを理解したような気になっただけでなく今まで考えていたことが馬鹿らしく思えてきたのだ。 しかしそこで彼女が私に声をかけてきたのである。 しかもその声は優しかったこともあり余計に戸惑いを覚えることになってしまったのだった。 そして彼女は私に話しかけてくると、「おはようございます」 と言ってきたので私は慌てて挨拶をすることになったのだがそれに対して微笑みながら応えてくれる姿を見ているうちに緊張してしまい上手く話すことができなくなっていたので何とかして気持ちを落ち着かせる必要があったので深呼吸をすることにした。 そして改めて話をする準備が整ったと判断してから彼女に質問をしてみるとどうやら私が眠っていた期間は一日にも満たない短い時間だったらしいことが判明した事で少しだけ安心することができたのであった。 ただそれでもかなり心配をかけてしまったようではあったため謝罪することしかできなかったわけだが、その後に彼女は笑いながら許してくれたのでホッと胸をなでおろすことが出来たので安心することができたがその一方で不安もあるのでそれを聞いてみることにしたら案の定と言うよりも予想できていた通りの言葉が返ってくる事になったのだがそれを言われるまでもなく理解することができていたのでそこまで悲観する必要は無いのではないかと思えていたのも確かだったが、それよりも今は気になる事があったのでそれを聞くことにする事にしたのである。 何故ならばあの時助けてくれたはずの人達の姿が見えないからだと伝えたが返ってきた言葉は予想していた通りのものであった為にがっかりしている自分がいることに気づいたが、それでも仕方がないと思い割り切るしかなかったがその代わりに一つ確認しておきたい事があったため質問をぶつけてみたところ彼女は不思議そうな顔をしながら首を傾げていたのであるが、しばらくして何かを思い出したような顔をしていた。 それを見て、もしかして覚えていないのではないかと思っていたらその通りだったらしく申し訳なさそうな顔をしていたので気にしないで欲しいと伝えながら感謝の気持ちを伝えると彼女も納得してくれたようだった。 それからお互いに落ち着くのを待っていたがいつまでも待たせてしまうわけにもいかなかった為こちらから話しかけることにしたのは良いが何から聞いた方が良いのかわからなかった為とりあえず当たり障りのない話題を振ることにしたのだったがそれがいけなかったのか、それとも元々そういう人間だったのかはわからないが、いきなり彼女のペースに巻き込まれてしまい気が付けば主導権を握られてしまっているという事に気づいた時には手遅れになってしまっていたのかもしれないが、とにかく今は話をしなければと必死になっていたのもあって、自分でも何を言っているのかわからなくなってきた時のことだった。 突然彼女が笑いだしたので、最初は困惑してしまったが、よくよく考えてみると、これがいつもの感じだったのかもしれないと思うようになっていた。 そう考えると妙に納得した気持ちになったがそれと同時に少し複雑な気持ちになっていたことは内緒である。 だが、それよりも気になることがあるとすればこれからの事について話しておかなければならないことがあったのでそれについて切り出そうと思ったその時、ノックの音が聞こえてくると、同時に声が聞こえてきたが、その声があまりにも大きかったせいか、驚いてしまうが、それには構わず入って来るように言われて部屋に入って来た人を見て再び驚きを隠すことができなかったがそれを気にする様子もなく近づいて来ると私に向かって話しかけてきたのでそれに応えると何故か笑われてしまってさらに戸惑うことになりそうだったが、 「いや~ごめんごめん!驚かせるつもりじゃなかったんだけどね!」と言うとまた笑うだけで会話にならないまま話が進んでしまいそうになった為もう一度話しかけてみた所今度はちゃんと聞いてくれるようになったみたいでホッとしたものの、その後聞かされた内容を聞いて更に困惑することになるとは思ってもいなかったのだ。 それもそうだろう。 何故ならそれは、私達の命を狙う存在がいるという事だったからである。 一体どうしてそんな事態に陥ってしまったのだろうかと考えているうちに、ふと気づいたことがあり恐る恐るその事を訪ねてみると意外な答えを聞くことができた。 何でも、私の知り合いと名乗る人がやってきて色々と説明してくれていたというのだ。 それを聞いて驚いていると続けてこんなことを言われたのだ。 その人は私を助けるだけではなく、 「君が助かったのは偶然ではないんだ。 それはね、神様のおかげなんだよ?」と笑顔で言われてしまったのだ。 それを聞いた時は思わず唖然としてしまった。 だが無理もないだろう。 なぜならそんな事を唐突に言われても信じられないのは当然だと思うし何よりも冗談としか思えなかったのだから無理もなかった。 しかし私の表情を見たその人は悲しそうな顔をしながらこう言ったのだ。 「……ごめんね。 こんな事を言うつもりは無かったんだけど……。 どうしても信じて欲しかったからつい嘘を言ってしまったんだよ……」 その言葉を聞き我に返った私は、とんでもないことをしてしまったのだと理解した途端に血の気が引いて行くのがわかったがそれでも謝ることしかできずにいた。 だがその人の方は、特に気にしてない様子だった。 「謝らなくてもいいよ?むしろ僕は嬉しかったんだから」と言われた時は意味がわからなかったが詳しく話を聞いてみてようやくわかった気がしたのだ。 何故ならそれは、この人にとって私が無事でいてくれた事が何より嬉しい事だったからだということがわかったからだ。 そして私も同じ思いになった事でお互い様だと言う結論に至りそれ以上は何も言うことはなかったのだが一つだけ気になっていた事があった事を思い出しそのことを聞くと、どうやらそれは、他の人達も無事だという事だと知った私は心底ほっとしたのだが、ここで新たな疑問が生まれたので思い切って聞いてみようと思ったのだがその前に自己紹介をしていなかった事を今更思い出したので慌てて名前を名乗ろうとしたのだが遮られてしまった上に止められたのだ。 それはなぜかというと、 「僕の名前は『黒月』だよ。 よろしくね!」と言われてしまったので思わず頷いてしまったのだが、それと同時に私はある事に気がついてしまったのだ。 それは、この人物が誰なのか全くわからないということだったのだがそれを察したかのように教えてくれたのである。 曰く、「僕の名前は、君と同じで、漢字一文字の名前なんだ」と教えてくれて初めて気がついたのだが確かに言われてみればその通りだった。 なので、私は改めて自分の名前を名乗ることにした。 すると相手も同じように名乗ってくれたのだがその名前を聞いた瞬間私は驚愕したと同時に背筋が凍り付くような感覚に襲われたのだがその理由についてはすぐに理解できた。 というのも、相手の名前には、苗字にあたる部分がなかったのだ。 それ故に、 「どうして名前がないのか」と聞いたところ、どうやら彼は孤児らしく親の顔も知らないし名前もつけてもらえなかったのだということを知った私は申し訳ない気持ちで一杯になってしまったのだが当の本人は全く気にしていない様子で明るく振る舞っていたのでとても心強かったのだが、その直後に衝撃的な事実を知る事になるとは夢にも思わなかったのである。

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