イマジナル・ファシリティー
佐々塚洋治が逮捕された事件につい

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俺はこれからどうなるのだろうか? 俺は、どうすればいいのだろうか? 俺は、もう疲れた。 俺は何もかどうでもいいと思っていた。 俺が目を覚ますとそこは病室だった。 俺はベッドの上に寝かされていた。 俺は起き上がりあたりを見渡した。 どうやら病院のようである。 俺は病室らしき部屋にいた。 俺は窓の外を眺めていた。 俺が入院しているこの部屋の外には廊下があるらしく、その先にはたくさんのドアが並んでいるのが見える。 そして、俺の横にもドアがあった。 どうやら、隣の部屋に繋がっているようで、そこから誰かが入ってきた。 「佐々塚さん」と看護師が呼んだ。 「はい」俺は返事をした。 「目が覚めたみたいですね。 よかったです」 「ここはどこでしょうか?」と俺は尋ねた。 「ここは警察病院ですが、ご存知ですか?」と看護師が尋ねた。 「はい」と俺は答えた「では、あなたは昨日の出来事を覚えていますか?」と看護師は尋ねた。 「いいえ」と俺は答えた。 「そうですか」と看護師は答えた。 「何かあったんですか?」 「実はですね」そういって彼女は説明し始めた。 私は、先ほど起きた出来事を思い出すことにした。 確か……そう、私はある男を追っていたのだ。 そしてそいつは私の部下によって拘束されようとしていたところだった。 男は必死で抵抗して、私に向かって発砲し、そのまま逃走したのだ。 その時だった。 突然男が消えた。 正確には何か透明な物に覆われたというべきだろうか?とにかく私は男を取り逃してしまったのだ。 その後、私は部下の何人かを引き連れて公園に向かい捜索に当たったが見つからなかった。 男は忽然と消えてしまったのだ。 そして私は、男の身柄を確保しようとしたが逃げられたため、仕方なく本部に戻ってきたのだ。 そのあとは、取り調べを行ったのだが男は黙秘権を行使しつづけたのだそうだ。 そして私は今日になって逮捕状の発行手続きを行うために警視庁に向かった。 するとそこには佐々塚がいたのである。 私の姿を見ると、奴はいきなり殴りかかってきたのだ。 私は間一髪でかわし、佐々塚の両手を掴んで拘束しようとしたが、その時、私の足元から黒い影のような物が吹き出してくる。 それは佐々塚の周りを覆うように広がったがすぐに消える。 何事もなかったかのように再び佐々塚を捕まえようとすると奴も暴れ出した。 そのせいで私の顔と腕は怪我を負い、服は汚れ、佐々塚の身体には切り傷やアザができてしまったのだそうだ。 しかし私は気にしていなかった。 むしろこれはチャンスかもしれないと思っていた。 私は言った。 「あいつは何者だ?」 その問いかけに私は少し考えこんだ。 確かに気になる点が多いのだ。 そもそも何故私が襲われなければならないのか理解できない。 もちろん仕事は完璧にやってきたし問題など起こさなかったつもりである。 では、どこで恨みを買ったのか、と考えていくとどうしてもわからないのが、佐々塚の存在である。 彼はアルバイトをしていたはずだ。 私が彼のことについて調べたところ、大学四年生の彼が就活もせずに毎日パチンコ三昧だというのがわかった。 親が仕送りをしているのなら別に構わないのだがそういうわけでもないらしい。 私がそのことを聞いても、本人は一切口を割らなかったが、彼と同じサークルに所属している先輩によると、なんでも佐々塚は就職活動をするふりだけしていただけで実際は就職する気はなかったのではないかということだった。 しかし佐々塚がどうして急にやる気をなくしてしまったのかについてはわからずじまいで終わってしまったのだった。 そしてそれからしばらくして私は彼に小説を書いていることを話したのだっけ?まあ、私はどうでも良かったから詳しくは聞かなかったが佐々塚はそれ以来毎日家に押しかけてきてしつこく小説のことを聞いていたのだな?思い出したよ。 私は改めて質問を返した「どういう意味ですか?」「君は何を隠そう、あの事件の当事者なのだからな」そう言うと刑事は彼の目の前に立って見下ろして言った。 「正直に答えろ」すると佐々木は「あの人が誰なのか、君は知っているはずじゃないか」と言うと私は言った。 「あの人が誰のことを指しているのかはわからんが」すると佐々木は「あの事件は君を狙っていた可能性があるということだ」と言ってきたのだった。 「ちょっと待ってください!」私は言った。 「どういう意味ですか?」 私は思わず大声を出していた。 俺は何が何だかわからない状況になったのだった。 ------- 狩谷刑事と二人で警察署に向かっていた。 俺達は並んで歩きながら俺は狩谷刑事を横目で見た、どうやら刑事さんはかなりお怒りのようだったので話しかけても怒られるような気がしたため俺の方からは喋ろうとしなかった。 するとしばらく歩いて俺が沈黙に居心地の悪さを感じ始めた時のことだった、「お前、何を隠しているんだ?」と言われてしまいましたとさ。 はてさて困ったもんだ。 一体どうしたものかと考えていると「なぁ、お前がさっき病院に運ばれる時何が起こったのかはわかんねぇが、お前の口から聞くまで俺は絶対お前を疑ったままだっただろうと思うぜ」「えーっと、じゃあ、全部正直に言うとですか? 正直言っても信じられませんよ」「いいよ。 信じるさ」と言ってきた「はぁ」と答えるしかなかった俺は素直に答えることにしました。 すると「へぇ、つまりあの男、佐々塚洋治とお前は顔が似ていると」「だから、兄弟とかですかね」「いや、俺もいろいろと考えたけど、どう考えても似ていない」「ですよね」と答えました。 「それであの佐々塚っていう人だけど」と言った時です。 俺はふと疑問を感じたので尋ねてみた「あの、狩谷刑事」すると刑事さんは振り向いて言う「ん?」俺は言った。 「あの人が本当にあの佐々塚だとしてどうやってわかったんですか?」俺がそう言うと刑事は俺に背を向けたままで言いだした「実は、昨日の夜に俺は佐々塚の自宅に行ったんだ。 お前の家にも行ったんだけどいなかったんでな。 そうしたらあの人がちょうど帰ってきたんで挨拶したんだよ。 そして聞いたんだ。 あんたが佐々木の弟かと。 そう聞いたんだが答えてくれなかった」と刑事は続ける。 そして俺が口を開いたところで言った。 そして俺の病室に着いたようだ。 ドアの前には看護婦と一人の中年男性が立っていた。 どうやら病室にいるはずの患者の姿が見えないため捜しているらしかった。 俺は二人とすれ違うように病室に入りカーテンを閉め切って外の風景が見えないようにしてベッドに戻った。 そして俺はベッドに座ってから窓の外を見つめていた。 窓には鍵がかかっていたので俺は外に出ることはできないだろうと思った俺は窓から離れて、床に寝転がることにした。 天井を見ながらこれから自分はどうなっていくのだろうかと考える。 しかしそんなことを考えてみたものの結局何も浮かぶことはなくただ無力感と脱力が俺を襲ってくるのであった。 そうやってしばらくの間ベッドの上で仰向けになりつつ窓の外を見続けていた俺は疲れたので目を閉じようとした時にふと思ったのだった、俺はこのまま一生病院にいることになってしまうのではないかと。 もしそうなったら嫌だと思い俺は考えたのだった。 病院から出たらどこに行けばいいのだろうか?俺はこれから先どう生きていけばいいのだろうか? とりあえずは、どこかに就職するかそれとも小説家になるかの二択であると。 そして俺はどちらにもなりたくないと思っているのだ。 だって、俺はもうどうしようもないほど人生に対してうんざりしていて生きる希望なんてものはとうの昔に失くしてしまっているのだ。 そう思うとまた悲しくなってきたので考えるのをやめた。 どうせ俺の人生なんてこういうものなのだと思い込んでみるもののなぜかそれが悔しく感じるのはなんでなのだろうか? そしてそのままの状態で寝てしまったようで俺は目を覚ます。 いつの間に寝ていたのか俺は病院にいた。 どうやら外は明るいらしい。 俺は時計を見た、どうやら午前11時過ぎのようである。 俺は体を起こした。 俺の横に誰かが寝ていたらしく布団がめくられていたのだ。 どうやら、誰かが俺が寝た後に入ってきたようでそいつは今も寝息を立てて寝ていた。 どう見ても女だった。 年齢は多分20歳ぐらいに見える。 俺は彼女が起きる前にナースコールで看護師を呼んだのである。 そして俺は彼女の寝顔をじっと見続けた。 すると、彼女は目を覚ましてこちらを見てきた。 「あれ、起きてたの?」「ずっといたよ」と俺は彼女に言った。 彼女は言った「私の名前は佐々木未来、あなたは?」と。 俺は答えた「俺は」すると彼女が言った「私はあなたの名前を知っています」と言われたのである。 「何?」俺は聞き返す。 彼女は言った。 私は、夢を見てたのだと思う。 私は目が覚めた、いつものように私は目覚ましの音で目覚めたのだが、その日は何かが違うと私は直感的に感じたのだ。 なぜなら私は、見知らぬ部屋の中を漂っているかのような感覚に襲われたからだ。 私は、ゆっくりとまぶたを開き、その目を開く。 私の部屋ではないことだけは確かだったのだがここはどこだろうか?それになぜ私はこんなところにいるのだろうか?昨日は何があったのかを思い出そうとするが思い出せない、頭がずきずきして痛かった。 そしてその頭痛は徐々に増していき私の脳に激しい痛みをもたらすのだ、しかし私は我慢しながら辺りをきょろきょろと見るのだったが誰もいないようだった、その時だった。 私の耳に何かが聴こえてくる。 人の話し声のようだった、しかし私は周りを見渡すがそこには私以外誰もいなかったのだ。 私は自分の頭を軽く押さえると再び耳を傾けた、どうやら私の方に向かっているようだった、しかしそれは私がいる部屋の前で止まったのだ、一体誰が来ているのだろうか、そう思ったその時である、突然私は身体中に電気が流れたかのように全身の筋肉が激しく震える、あまりの激しさに私も身体を大きく震わせるほどだった。 何が起きたというのだ、何なのだこの音は、しかしこれは確かに聞こえる音であり言葉だ、これは、人間の、いや人間の言葉なのかこれは一体何なのだろう私は恐ろしくなった。 その恐ろしいまでの音の渦は一瞬だけ聞こえなくなったと思うと再び始まったのだった、それは一定の間隔で続いている。 何が起きているというのか、私は頭を押さえながら私はその音がする方向へと顔を向けた、しかしその瞬間私は意識を失ってしまう。 どうしたというのだろう。 「おい、大丈夫か!」と大きな声と共に私は肩を強く揺らされてようやく正気に戻る、私が目を開けたのを確認すると彼は言う。 「しっかりしろ!俺の顔が見えるか?」どうやら、彼は私に話しかけているようだった、しかしまだぼんやりとしているせいなのかはっきりとした返事をすることはできなかった。 彼は言った「君が目を開けてから10秒以内にしっかりと目で見ろ。 俺が分かるな?」と言われ私は小さく「はい」と答える。 すると彼は言った「お前に頼みがある」私はうなずく「わかりました」すると彼も満足そうにうなずく「お前にこれを預けておく」そう言うと一枚の名刺を差し出してきた。 名刺には『佐々塚洋治』と書かれているのだった。 すると彼が言った「あいつはお前を狙ってるんだ、早くここから出て行った方がいい」と言い出すと私は言った。 「どうして、それをあなたが知っているんですか?」すると彼は答えた「お前は奴の兄貴に顔が似ているんだよ、だから狙われてる可能性がある」そう言われてもいまいちピンとこない私は言った。 「えっと? あの、兄ですか?でも、あの人は」と口ごもる。 すると佐々塚は言った「とにかくだ、俺はお前に助けてもらったことがあるんだ、俺が言うことを信用できないのか?」そう言われるが、やはり信用などできるわけがなかった、何しろ彼の言っている意味すらよくわからない状態なのに、どうしてその話を信用することができるというのか理解できなかった。

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