作品に栞をはさむには、
ログイン または 会員登録 をする必要があります。

『装甲のレベルが上がっているぞ。痛みがまったくない』  コウガの装甲は、【レイジング・スキン】というらしい。さしずめ、今のコウガは【レイジング・フォーム】とでも呼ぶべきか。    いかなる攻撃も跳ね返すと説明があるが、フルパワーでここまで強いとは。  なにより、後ろにいる逃げ遅れた村人を守らねば。 「ぬお、さすがコウガだ。我が一撃に耐えるとは。だが!」  怪人が、棍棒をさらに押し込む。 「これは耐えきれまい! 潰れてしまえ、コウガ!」  コウガは、なおも耐える。    戦闘経験値がどれほどなのかも、知る必要があるからだ。  これまでの激闘で、強くなっているかも知れない。 『トゥア!』  両手を広げて、怪人の一撃を突き放す。  バランスを失った怪人が、後ろに倒れた。だがすぐに立ち上がり、棍棒を乱れ打ちする。  マタドールのように、コウガは棍棒攻撃をかわす。その際、戦闘員をも巻き添えに。 「ひいいい! 暴れるなミノタウロス!」「俺たちを殺す気か!」「ヤロウの策に踊らされてんじゃねえ!」  戦闘員たちが逃げ惑う。 「やかましい! 死にたくなくば、死ぬ気でかわせばよかろうぞ!」  怪人の語彙が、おかしくなっていた。攻撃を軽々とかわされて、頭に血が上っているせいか。  棍棒の一撃を喰らって、戦闘員の一人が吹っ飛んだ。  建物が崩れ、逃げ遅れた少女が崩れた建物に埋もれそうになる。 『いかん!』  コウガはとっさに飛びつき、ガレキを持ち上げた。 『大丈夫か! 逃げろ!』  少女は立ち上がろうとしたが、足を押さえてうずくまる。足の骨を折っているらしい。  母親らしき人物が少女に駆け寄ろうとして、戦闘員に囲まれる。 「愚かなりコウガ。貴殿の弱点は、その甘さよ! わざわざ矮小な人間を救わずにはいられない。そんな安っぽい正義感、打ち砕いてくれるわ!」  怪人が棍棒を構える。 『許せ、コデロ。キミを危険な目に遭わせた』 「今さらです、ベルト様。こうなることは必然でした。今は反省より打開策を!」  とはいえ、どうすれば。  少しでも動けば、少女がガレキの下敷きになってしまう。  なすすべなく、コウガは棍棒を脇腹に叩き込まれた。 「死ね、コウ……なにいいいい!?」  あろうことか、コウガは無傷である。それどころか、棍棒は真っ二つに折れた。 「バカな!?」  棍棒が破壊され、怪人がうろたえる。 「今だコウガ、やっちまえ!」  ダニーたちが戦闘員を蹴散らす。そのスキに母親が駆けつけ、少女に肩を貸す。少女を引きずるように進んだ。  刹那、コウガはガレキを安全な方角へどけた。

応援コメント
0 / 500

コメントはまだありません