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 エルフ女王の情報を求めて、リュートたちはエルフ族の森へ。  といっても、レプレスタに帰るわけではない。  この近辺にある、世界樹の一本へ向かうのである。  世界各国にある世界樹と、妖精族の森は通信が可能なのだ。  いわゆる「リモート」である。 「こちらへ」  エルフに連れられて向かったのは、湖である。 「これより、妖精女王とコネクトします」  モニター代わりの湖に、エルフの女王が映し出される……はずだった。 「ベルト様!? ごきげんよう!」  湖に出てきたのは、ラキアス・ヘインズリーではないか。  ドランスフォードの領主、ドレイク侯爵の夫人である。 『あんたは、ラキアスか? ドランスフォードにいるはずでは?』 「通信に割り込みました! だってベルト様とお話する機会があるんですもの!」   ラキアスは、ドランスフォードにある世界樹を通して、映像に入り込んできたのだ。 「少々わきまえなさい、ラキアス」 「でもお母様、ベルト様のことに関しては、わたくしに一日の長があります!」  エルフ女王の前では、ラキアスもただの娘になってしまっている。 「ベルト様をオーバーホールしたのは私ですよ。それよりあなた、ドランスフォードはどうなったのです?」  生まれ変わったドランスフォードを、ラキアスは侯爵とともに取り仕切っているはずだが。 「夫が全部やってしまうんですもの。わたくしの出る幕はありませんわ。まあ、わたくしにベルト様のサポートを全力でできるように配慮してくださっているのはわかりますが」 『つまり、退屈だと?』 「包み隠さずに言えば」  エルフ女王が、「まったく」と呆れた。 「話を戻しましょう。デヴィランになにか動きがあったのでしょうか?」 『敵の黒幕が誰か、確信できた。やはり、オレの世界から来たヤツだった。しかし、ヤツは元々、あんたたちの世界から来た者らしい』  リュートは、敵の存在を明かす。 「やはり、先代エルフ王の【オベロン】ですか」 『知っているんだな?』 「はい。怪人たちを作る科学力と、コントロールする魔術、両方を併せ持つ人物といえば、彼しかいません」 『何者なんだ?』 「彼は、非情に野心家でした」  高い魔力と知識を持っていたオベロンは、昔から傲慢な人物だったらしい。 「エルフは偉大な存在であり、なにをしても構わない」とうそぶき、非人道的な実験を繰り返す。  そのため、各国との争いが耐えなくなったそうだ。  オベロンは世界の平和などに関心がない。  いたずらに争いの火種を撒き散らしては、愉快そうにしていたという。  結果、妖精の世界から追放された。  あらゆる生き物は、彼の実験道具に過ぎない。 「彼の目的は、『神を作り出そうとした』こと」

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