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 神々は、悪さをする魔物を退治する存在として、コウガのような戦闘兵器を作り上げた。  製造されたのは、コウガだけではないらしい。  とはいえ、あくまでも言い伝えとして残っているのみ。 「この世界で存在が確認されていたのは、コウガだけなんだ」  他の神々は封じられたか、元の世界に帰ったのか。  その行方は、エルフやドワーフなどの長寿種族をもってしても、判明しないのだという。 「それゆえに、コウガのベルトが心ないモノの手に渡っては、最悪の事態を招く」  しかし、結局は大国や悪党に知られ、他国との戦争に利用されそうになったという。何度も。 「ゆえに、コウガを扱っていたドランスフォードは秘術を開発し、コウガを異世界に飛ばしたんだとよ」  リュートが手に入れたのは、そのときに飛ばされたコウガのベルトだったようだ。 「お父さん、何がいいたいの?」 「こいつを狙うのは、秘密結社だけじゃないってことさ」  冒険者が複数で仕留める魔物を、一人で倒せるのだ。軍事利用されてもおかしくない。 「ドランスフォード国を狙ったデヴィランってのは、そういう連中だ。怪人を作り上げ、世界を支配しようとしている」  コウガのベルトを危険視して破壊しにきたのか、自分たちが利用するためか、それは分からないが。 「それだけじゃない。自分とも戦わねばならん」 「どういう意味です?」 「もしコウガを装着し続ければ、ただ戦うだけの人形と化してしまう」  コウガに、意識を乗っ取られてしまう。ダニーはそう推察しているそうだ。 「お父さん、コデロを脅すつもり?」  ミレーヌが憤慨する。 「そうは言ってねえよ。可能性があるってだけで」 「脅してるじゃん!」  お盆でテーブルを強く叩き、ミレーヌが抗議した。  咳払いを一つして、ダニーはコデロを向き合う。 「それでも戦うのか、コデロ?」   「はい。私には、討つべき仇がいます。結社デヴィランが王国を滅ぼしただけでなく、姉まで殺したのなら、地の果てまで追って仕留めます」  コデロは、即答する。しかし、直後にため息が。 「ただ、その後は分かりません。人のために戦うという感覚なんて、あの炎と共に燃え尽きてしまいました」 「どうすればいいのか、考えておくんだな」  酒瓶を置いて、ダニーは寝床へ。 「自分がどうなるか、心配?」 「正直に言うと」  リュートでも分かる。  コデロは、ショックを隠し切れていない。 「そうだ。お風呂沸かしたから。一緒に入りましょ!」  ミレーヌが、コデロの手を引く。  誘われるまま、コデロは浴室に向かう。

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