特撮ヲタ、姫騎士のヒーローベルトに転生! ~二人で一人の復讐者《ヒーロー》~ 
レプレスタ城内(3) 今日はあたいとあんたで、ダブル戦乙女さ

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『骸教授とは、いったい……むぅ?』  レプレスタの兵士たちが、エスパーダを取り囲む。  国王が、エスパーダに歩み寄った。 「イクスよ。やはりお前が、エスパーダだったのか」  父の問いかけに、イクスは答えない。 「答えよ! そなたは本当にイクスなのか?」 「だったら、どうだったというのです!」  変身を解き、エスパーダは武装解除した。 「やはり、日頃の騒動の原因は、お前だったのか。どうして我らが兵に任せなかった⁉」 「あなたの兵隊なんぞ、さっき魔物に食べられましたわ!」  ヨロイだけになった兵士を指差し、イクスは怒りを顕にする。 「護衛も同じ目に遭ったのでしょう。だから、賊の侵入を許しましたのよ! 軟弱な兵士が何人いても、家族は守れません!」 「だからといって、お前が表舞台に立たなくても!」 「詮索よりも現状を御覧なさい! 今は戦争なのです! 我々の敵はアロガントよりも強大ですのよ! 人間が太刀打ちできないレベルの!」 「それでお前も、闇の力に手を付けたのか?」  父は、エスパーダの力が悪しきものではないかと、疑っているようだ。 『……⁉ イクスッ、敵だ! 戦闘態勢に入れ!』  ノーマンの声で、イクスは再び剣を構えて変身する。  三体の怪人が、新手として現れた。上半身が男の裸体、下半身がヘビの怪人たちが、エスパーダの前に。 「お父様は下がってくださいまし!」 「しかしイクス⁉」 「お黙りなさい! ワタクシよりディアナを!」  有無を言わせず、イクスは国王である父に向かって無遠慮な怒声を浴びせる。 「姉・ラミアはやられたか。油断して情けない!」  この怪人たちは、先程倒したマムシ怪人の身内らしい。 「だが我々、メデューサの子たちにとっては、コウガといえど敵はない!」 「それはいかがでしょう? 御託はよろしくて」  エスパーダの挑発に、怪人の一体が反応した。槍を装備し、先端をエスパーダに向ける。 「何をしているのです⁉ 早く逃げなさい!」  言ってる側から、無数の小鬼戦闘員に王は囲まれた。 「コウガが相手をしているのは、先発隊! すでに、暗殺集団はレプレスタ王を、そしてイスリーブ王子を捉えている! 我らに死角なし! かかれ!」  槍を向けていた怪人が、号令をかける。  小鬼戦闘員が、王に斬りかかる。  兵士が攻撃を防ぎ、乱闘に。  エスパーダは一瞬で、数名の戦闘員を切り捨てた。 「ザコごときに遅れを取るような兵隊は、レプレスタにはいませんの」 「なにを。この【ナーガ】三体を前にして、たった一人で何ができる!」  怪人の一体が、エスパーダに襲いかかろうとした。 「一人ではないさ!」  上空から、女の声が。  槍が、真上から来た物質に押しつぶされる。  現れたのは、シールドに乗ったオーガ族の女だ。たしか、アテムと言ったか。姉ラキアスに仕える冒険者である。 「てええい!」  サマーソルトキックで、アテムは怪人のアゴを撃ち抜く。  一回転して、怪人は後ろへ吹っ飛ぶ。 「あなたは。ラキアス姉さまは?」 「ラキアス様のご命令さ。あんたを助けろってな」  アテムは、周囲を見回す。  ナーガと呼ばれた怪人が、小鬼怪人の増援を呼ぶ。 「敵は多いな。そうでもないか。今夜はあんたとあたいで、ダブル戦乙女さ」  サムズアップで、アテムは答えた。 「戦乙女でもない分際で、我ら魔族に歯向かうなど!」 「誰が、戦乙女じゃないって?」  アテムが、黒いシールドを天に掲げる。 「それは、これを見てから言うんだね!」  シールドはオーガ族のアテムを丸々隠すほど大きい。中央にはめ込まれているのは、高品質の魔法石だ。 「幻装ゲンソウ」  掛け声とともに、アテムがシールドを顔の前で構えた。  シールドのパーツがバラバラになり、アテムの肩や胸、両手足を覆い始める。最後に、フルフェイスの仮面がアテムの顔に収まった。  その姿はまさに、戦乙女ラーズグリーズではないか。 「「人が手掛けし戦乙女、名付けて【盾を壊すものランドグリーズ】だよ!」  漆黒のヨロイで身を包んだアテムが、見栄を切る。 「戦乙女だと⁉ ばかな。こんなタイプは、データにないぞ!」  大蛇怪人がうろたえた。 「ええい。敵が増えた程度でわめくな、兄弟! 所詮は人の作った、まがい物よ! 全身改造された我々を上回るなど!」 「まがい物かどうか、その身をもって試して見るんだね!」  アテムは、オーガにふさわしい巨大な両刃の斧を担ぐ。その様はまさしく、地獄の鬼そのものだった。  「オーガ・オンステージだ!」  両刃の斧を担ぎ、アテムは小鬼に突っ込んでいく。 「いいっ、やぁ!」  アテムは、斧を横へと振り回した。斧の刃から、竜巻が起こる。斧の一振りだけで、すべての小鬼戦闘員を一気に薙ぎ払った。 「なんだと⁉ 戦闘員を一瞬で⁉」 「コレこそ、【ランドグリーズ】の実力さ!」 「思っていた以上に手強いぞ! 総力でかかれ!」  すべての小鬼戦闘員が、アテムへ攻撃を仕掛ける。 「先程の大ぶり攻撃、そう何度も続くまい!」 「あたいの技が、それだけだってか?」  腰の魔法石から、アテムは三角状の大型ナイフを召喚する。 「トライアングル・スラッシュ!」  大型ナイフを戦闘員集団に投げつけた。  ナイフが、戦闘員たちを切り刻む。

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