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 その言葉を聞いて、リュートは疑問をエルフ女王にぶつけた。 『女王、【デヴィランの神】について、知っているか?』  デヴィランが死の間際に語る「神」について、ずっと引っかかっていたのである。 「彼らの神の名は、【ヘル】といいます。またの名を、死の神」 『死神だと?』  この世界でもっとも古い神の一柱で、死を司っているという。  古い神の指示で、世界を次々と死者の国へ変えていった。配下の人間たちを、モンスターへと変えていく。 「世界支配の過程で生まれたのが、デヴィランという組織というわけですね?」 「そのとおりです」  が、支配欲が強すぎて、デヴィランもろともヘルは封印されたという。 「ヘルは死者の魂を食らうことで、その死者たちを取り込むと言われています。ヘルと融合することは、デヴィランにとって名誉であると」 「では、デヴィランたちは自分たちが死ぬことによって、ヘルにパワーを与えていると?」  コデロが、エルフ女王に考えを述べた。 「その可能性は、否定できません」  怪人として人を次々と冥府へ送り、自らも役目を果たすと死ぬ、と。 『行為自体に、価値があるのか?』 「彼らにとってはそうなのでしょう」  圧倒的なパワーと同化できるのなら、命まで差し出すのだという。 『洗脳に長けているのかな? あるいはそれだけ死が魅力的なのか、わからないね。一度死んてみたボクとしては、もう死ぬなんてコリゴリなんだけど』  イクスと身体を共有しているノーマンが、否定的な意見を言う。 「まあ、貴族は『マウントが仕事』みたいな一面があるからね。強いものにすがるのは、誰よりも優位に立ちたいからだろう」  呆れながら、ノアはため息をつく。 「でも、よくそんな怪物を倒せましたわね?」 「ヘル封印に一役買った存在が、コウガです」  コウガの名前が出て、一同に緊張が走る。 「デヴィランという形で、ヘルの支配が人間界にまで及ぶと、人類も抵抗手段を模索しました。神と協力し、デヴィラン打倒のための存在を作り上げたのです」  とはいえ、コウガも無事ではなかった。すべてのデヴィランを倒した後、自らも死んでしまったらしい。 「ヘルと、相打ちになったと?」 「そこまでは。しかし、コウガはそれだけ、デヴィランにとって脅威であると考えていいでしょう。しかし、油断はなりません。コウガに対抗しようと、彼らも対コウガ用の兵器を用意しているはず」  そう返答され、コデロも気を引き締めていた。  リュートにとっても、他人ごとではない。  もっと強くならねば。  実際、コウガは以前に増して強くなっている。  仲間にエスパーダや簡易版のコウガとも呼べる、アインヘリアルも得た。  それでも、敵の脅威は衰えていない。

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