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「ベルト様、ライジング・フォームへ。今度はあなたが、戦う番です」 『うむ。昻牙コウガ・ライジングフォーム!』  リュートは、ベルトの脇にあるスイッチを作動させた。  身体の装甲が、銀色へと変わっていく。魔法攻撃の得意なモードへと。 「多数ですが、所詮はザコ。適度な魔法を放り込んで倒しましょう」 『発言が物騒だな、キミは』 「魔族に、慈悲はありません。派手に行きましょう」  コデロがお望みなら。 『冷凍ガス!』  両手から、氷属性のガスを発生させた。  戦闘員たちが飛び退く。  休まずコウガは、ガスを戦闘員たちに浴びせ続けた。地面まで凍らせる。 『ブリザード・ランス!』  地面に張った氷を、コウガは踏み抜く。  氷の柱が地面から突き出て、戦闘員たちを串刺しにした。  凶器とかした氷から逃れようと、戦闘員や再生怪人が逃げ出す。 『逃がすか! トルネード!』  雪の嵐を発生させ、戦闘員たちを氷漬けにした。 「キリがないですね」  どれだけ倒しても、ワラワラと戦闘員たちがわいてくる。 『しかも、倒した後はドロドロになっている』 「実体を持っていないようですね」  コデロの言葉を聞き、リュートは気がつく。 『そうか。再生怪人!』 「どうなさったので?」 『再生させているなら、製造元があるはず。その根本を叩く!』  リュートはベルトの宝玉部に触れ、バイクを召喚した。 『さっそく、これを試す時が来たようだ!』  リュートは、エンジンを全開にする。 『ボタンがたくさんあるな。これだ!』  何の説明も、受けていない。とりあえず片っ端から押す。  マフラーから、炎が吹き上がった。コウガの背後にいた怪人が、火炎ブレスをまともに浴びて爆死する。 『断末魔も上げずに死んだな。やはり、魂までは再生できんようだ』  もう一つのボタンをプッシュ。  無数の魔法矢が、飛翔している怪人たちに降り注ぐ。 「これは、マジックミサイルですね」 『うわうわわ⁉』  リュートの頭上にも、矢が飛んできた。 「コントロールが利かないとは⁉」 『動くものすべてを、標的にするんだな!』  逃げ惑いながら、コウガは戦闘員たちを矢の標的にする。 『あそこだ!』  ひときわ人数が密集している現場へ。戦闘員たちが、その場所を死守するかのように、寄り集まっている。 『突っ込むぞ!』  コウガはアクセルを吹かす。集合地点に突撃した。 「なんですか、あの黒い塊は?」  一〇メートルを超える球状の物体が、魔物たちに守られながら鎮座している。 『あれが何者かなんてどうでもいい! このまま叩き潰す!』  ためらいなく、コウガはウィリーで前進した。   前輪部分に、電流が走る。  コウガのバイクは、弾き飛ばされてしまった。 『なにいいい⁉』  体勢を整えて、転倒は免れる。しかし、これ以上進めない。 「ぐっふっふー。この強化バリアのおかげでー、コウガの攻撃も寄せ付けないお!」 『お前は⁉』  たしか、ナメクジ怪人ではないか! 「ひっひーん。ボクチンはナメクジ上位魔族の【スワンプマン】だお! テケリ・リッ! ちなみに、イスリーブでチミが倒したスライムを作ったのも、ボクチンだお!」  ナメクジ上位怪人が、身体をぷよぷよと弾ませながら笑う。 『だったら、冷凍ガス!』  前のナメクジ怪人は、冷気に弱かった。  地面にガスを浴びせ、冷気を伝わらせる。 『よし、冷凍ガスは通るぞ! なっ⁉』  黒い物体に到達したかと思えば、ただの水に変化してしまう。 「冷気を浴びせられても、再生してしまうようですね」  周辺の怪人や戦闘員にダメージは通っている。だが、肝心の上位怪人には利かない。 「ボクチンが、なんの対策もしないと思ったお? 対策済みだもんねー」 『くっ、手強い!』  さすが上位怪人だ。生半可な攻撃は通用しない。 「さあ行くお! 今度こそ、コウガを倒すお! でもって、コウガを都合よく丸裸に溶かすお!」  下劣な思考のもとに、次々と新しい再生怪人を生み出す。 『トルネード!』  怪人再生するたびに、竜巻を周辺に発生させて切り刻む。ところが、ナメクジ上位怪人の傷は浅く、すぐに修復されてしまう。 「大技過ぎます! これでは魔力切れになってしまいますよ」 『だな。憤激・改リ・ボルケーノクラスの打撃を浴びせねば!』 「もっと魔力切れを起こします! このまま走ってください。バリアの全貌を探索しましょう」 『よし!』  コウガはバイクで、バリア一帯を一周する。 『分かったぞ! ナメクジ怪人の周辺を、槍を担いだ怪人が取り囲んでいる。あれがバリアの正体だ』 「でも、どうします? トルネードでも除去しきれませんでしたが?」 『魔法は地面を通ったんだ。バリアは球状じゃない! ならば!』  バイクの背に、コウガはペガサスの翼を喚び出し、飛んだ。 『バリアは円柱状だ!』 「とはいえ、飛んでも攻撃は受け付けませんよ!」 『こうするんだ! トゥア!』  ベルトに触れて、コウガは短剣付きの二丁拳銃を用意する。  一本を水平に投げ飛ばした。ブーメランのごとく。 「フィーンドバスターッ!」  短剣に向けて、コウガは銃を放った。  刃に当たった魔力の弾が、拡散する。  怪人にはダメージが通らない。しかし、槍を破壊するには十分だった。 「うおおお⁉ バリアがなくなっちゃったお! 丸裸だお!」 『とどめだ! トゥア!』  空を飛ぶバイクの上に、コウガは直立する。 『コウガ・ライジングキック!』  バリアまで張っていたのだ。本体はもろいはず。 「ぬおおお! デヴィラン止まるんじゃねえおおおおお!」  真下からキックを浴びて、ナメクジ大怪人は大爆発を起こした。  再生怪人たちの身体が、徐々に崩れていく。

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