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 今は亡き故郷、ドランスフォードへ帰ってきた。  馬車で数日の道のりだったが、バイクでは半日と掛からない。  ノアやダニーによる改造と、コウガのパワーアップによって、バイクも驚異的な進化を遂げたらしい。コデロが乗った瞬間、形状が変わり、怪物じみた姿に。 「コウガだ!」「やはりこちらへ来たか!」  無数の戦闘員たちが、城の外で待ち構えていた。 「者共、ゆけえ!」  戦闘に入る半人半馬の怪物が、戦闘員たちの指揮を執る。 「我が名は【ケンタウロス】! 弟【ミノタウロス】の仇、討たせてもらう!」 『望むところだ。変身!』  コウガはバイクにまたがったまま、変身ポーズを取る。レイジングフォームへと変わる。 『トゥア!』  バイクに乗りながら、キックで戦闘員たちを打倒していく。 「数が多すぎます!」 『ならば、こうだ!』   二刀流の片手剣を、柄同士で合体させた。アテムのトマホークを応用したものだ。  棍術のように振り回して、戦闘員の群れに切りかかる。  あれだけいた戦闘員たちが、数を減らしていく。  順調に敵を蹴散らすコウガに向けて、矢が飛んできた。  コウガは剣を回転させて弾く。 「私を忘れてもらっては困るな!」  矢を撃ってきたのは、馬怪人だ。 『手下に任せていないで、かかってこい!』 「その心意気やよし!」  同じ長物を、コウガは馬怪人とぶつけ合う。 「デヴィランは、剣闘士として生きることしかできなかった我ら兄弟を、ここまで強くしてくれたのだ!」  ミサイルのような突きが飛んできた。  アクセルを吹かし、コウガは引いてかわす。 「その恩に、今こそ報いる時!」 『人殺しの道具に、望んでなったというわけか』 「殺すしか才能がないからな!」  ゼロ距離から、矢が仮面をかすめた。  あの槍は、弓の役割も果たすらしい。  近距離では長物の打ち合いになり、距離を離せば矢が振ってくる。厄介な相手だ。 「死ねい、コウガ!」  馬怪人が、矢をつがえる。 『フィーンドバスターッ!』  こちらにだって、飛び道具はあるのだ。銃から光線を発し、放たれる前の矢を撃ち落とす。 「まだ、こちらには槍があるぞ!」  槍を振り回し、馬怪人がこちらを威嚇した。土を蹴り、コウガへと突撃してくる。  コウガは、ウィリーで槍を飛び越した。 「バカめ、上空では槍のエジキよ!」  槍を上空へと向けて、馬怪人は勝ち誇る。 「なにい⁉」  コウガは、縦に伸びた槍の上を、バイクで滑走した。 「コウガ、レイジングキック!」  真下に、コウガは蹴りを放つ。怪人の額に、キックを撃ち込んだ。槍を伝って、コウガは地に降り立つ。 「これだけ殺す才能があれば、デヴィラン幹部になれたものを!」  馬怪人が、口惜しげに爆死する。 『そんな力など、必要ない!』  コウガの力は、人を守るためにあるのだ。  怪人の残骸を横切って、城へと急ぐ。  『むっ!』  門前に気配を感じ、コウガはバイクを急カーブさせた。  刹那、地面が爆発して、岩や土がはじけ飛ぶ。何者かが、炎の衝撃波を飛ばしているのだ。  バイクで向かってくるコウガを狙うかのように、火炎の波動が降り注ぐ。 「死ね、コウガ! グエエエエエ!」  火球を撃っていたのは、以前倒したコウモリ怪人だった。  コウガはバイクにまたがったまま、変身ポーズを取る。 『変、身!』  ライジングフォームへ。バイクのシートに直立し、跳躍した。 「コウガ、ライジングキック!」  コウモリ怪人の無軌道も、ライジングキックの追尾性能には通用しない。  胸部にキックを叩き込まれ、コウモリ怪人が城の上空で爆死する。 「消耗……していませんね?」  リュートも、ステータス画面を確認した。  コウガのエネルギーが減っていない。 『なぜか、無限に近いエネルギーが、身体から溢れ出てくるんだ』 「ドランスフォードが、それだけ魔素の強い土地というのもあるでしょう。デヴィランが欲しがるわけです」  再度バイクを操り、コウガはドランスフォード内部へと突撃する。  人々の笑顔に溢れていた街は、平和を脅かす漆黒の要塞へと様変わりしていた。全ての砲門が、コウガに向けられている。 『フィーンドバスターッ!』  銃をベルトから召喚し、バイクに乗りながら放った。  光の弾丸が、巨大な砲台を撃ち落とす。  馬に乗った戦闘員が、コウガを取り囲む。 『今一度。フィーンドバスター!』  バイクをコマのように一回転させ、銃を乱射した。  戦闘員たちが、次々と落馬する。  だが、襲撃の手は休まらない。 「レイジングフォーム」  バイクを降り、押し寄せる戦闘員たちを徒手空拳で叩き潰していった。ウォーミングアップにすらならない。 「城の内部へ急ぎましょう!」  懐かしい城の内部へ、足を進める。  だが、戦闘員だらけだ。それも、技術系の白衣を着ている者たちばかり。  コデロはたった一人で、城の大部分を占領した。  強い怪人は、あらかた倒してしまったらしい。魔王や、イノシシ上位怪人がピークだったようだ。 『外の警備の方が、厳重だったな』 「内部は、あまり重要視されていませんね」  焼け跡など、まったく片付いていなかった。 『こちらコウガ。ノア、聞こえるか?』 [ああ。しっかり機能するか不安だったが、なんとかね。どうした?] 『オレの目を貸す。焼け跡や壁・床などを調べるから、何か分かったことがあれば伝えてほしい』 [承知した。科学的な分野なら、キミらだと見落とす可能性があるからね]

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