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 ミコガミ帝は、後継者だった息子をデヴィランの怪人に殺害されたという。  怒りに震えた帝王は、怪人を自力で撃退したそうだ。国家が総力を上げて。 「当時の怪人はまだ弱かったので、国家総出でかかったら対処できたのです。それがいけなかったのでしょう。『兵力を増強すれば、怪人などおそるるに足らぬ』という思考になってしまいました」  めんどうくさい性格には裏があったようである。 『おやっさん、どう思う? どうすれば、理解してもらえるだろうか?』 「やばいな。俺たちの手には負えねえぜ」  技術指導として来ていた「おやっさん」ことノームのダニー・バンナが、肩をすくめた。 「吾輩も同意見だ。バカにつける薬はないね」  ドワーフの博士ノア・ハイデンも、首を振る。  知恵者をもってしても、帝王の石頭を壊すことはできない。 「敵襲です!」  大多数の戦闘員が、デーファンに攻め込んできたらしい。 「うむ。皆のもの、あれを」 『オレたちも行くぞ』  しかし、ミコガミ帝はリュートたちに城のバルコニーにいるよう命じる。 「見ていなさい。我々の力を!」  兵舎らしき建物の壁が、トレーラーのように上へと開く。  現れたのは、バッタやイナゴのごとき顔をした人間大のヨロイ集団である。  彼らは意思がないのか、全員が直立していた。怪人たちの気配を察知して、前進する。壁にかけられている武器をとって、戦闘員や怪人を破壊していった。  機械兵の拳は怪人の顔を砕く。正確無比に射撃された矢は、戦闘員たちの頭部や心臓を確実に射抜いた。 『アンドロイドか?』 「見ろ! 怪人の戦闘データを回収して開発した、量産型のマキナ兵だ! これなら、街に危害が及ぶことも、兵隊を犠牲にすることも、民衆が殺されることもない!」  満足気に、ミコガミ帝は城の下を見下ろす。  機械兵士たちの活躍はめざましく、あっという間に怪人たちを敗走させた。 「あれだけの怪人どもを、あっさりと」 「これは、ホンモノかもと思いたいがねぇ」  ダニーもノアも、半信半疑といった様子である。 『どうする? これは。盛大な負けフラグにしか見えないぞ』  この手の兵隊は、敵の手に落ちて洗脳されるのがオチだ。 「しかし、ミコガミ帝は言い出したら聞きません。流れに任せるしか」  コデロをもってしても、止める手立てはないらしい。  戦闘が終わって、ミコガミ帝はコデロに用があるという。  帝王についていき、港にたどり着いた。帰れというのか? 「民に代わって、感謝する。巨大な怪人を撃退し、この海域を救ってくれたことを」  なんと、ミコガミ帝がコデロに頭を下げた。

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