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 リュートとコデロが変身しようとすると、妖精女王が声をかけてくる。 「なりません。まだ治療が不完全です。いま変身をすれば、元に戻らないか、最悪もう二度と変身が」 『そうか……コデロ、変身だ』  妖精女王が止めるのも構わずに、リュートはコデロに変身を促す。  「コウガ! まだ治療が終わっていません! ムチャしては」 『なんの。このムチャな状況、ヒーローは幾多も乗り越えてきた!』  これでいいんだな、と、リュートはコデロに心で問いかける。  いいですとも、と、コデロも返してきた。 「これが……最後の変身です」  コデロは、腕を天へ高々と上げた。勢いよく右手を突き出し、ゆっくりと右腕を腰まで戻していく。 『コデロ、いや、コーデリア。おそらく、これが最後の変身になるかもしれん。最悪、元には戻らん』 「それでも構いません。この化け物共を倒せるなら、わたしはその剣になります。弱気者のための武器に」 『ありがとう』 「コオオオオ……」  息を吐きながら、コデロはベルトを触る左手を、右から左へスライドさせる。  続いて、天空へと右手を掲げ、空を仰いだ。 『変……』 「身っ!」  リュートと、コデロの声が合わさった。  変身の掛け声とともに、コデロの全身を光が包む。  光が収まると、コデロはコウガの姿へと変わっていた。 「なんと……変身は当分不可能だと思っていたのに」  妖精女王も、驚きの表情を見せる。 「これが奇跡なのですね。守護神コウガの」 『何が奇跡だい! 初期フォームじゃないか!』  朧博士が、コウガの姿を見て嘲り笑った。  たしかに、今のコウガは初期状態だ。レイジングフォームのままである。 「いちいちカンに障る」  クリオネ怪神は、ベルトを殴った。 『な、なにをするんだ!』 「うるさい。さっさと攻撃に移れ」 『クソ』  相当、仲が悪いようだ。 『おのれコウガ、喰らえ!』  怪神が、コウガの胸板に蹴りを入れてくる。  反撃でコウガも、キックを見舞った。 「ぬぐうっ!?」  クリオネ怪神が、吹っ飛んだ。  コウガの攻撃のほうが、早い。 「ジャ!」  怪神が手をかざし、雷撃を撃ち出す。 『フィーンド・バスター!』  雷撃を、コウガは光線銃で撃ち返した。 『なぜだ!? なぜ初期状態のコウガごときに、これほどの力が!?』 「これが、経験値の差か」  朧博士は理解していないようだが、スケルディング教授にはわかっているらしい。  コウガはこれまで、絶えず実戦を重ねてきている。途方も無いほどの戦闘を、生き抜いてきた。  たかがベルトを故障させたくらいで、コウガは屈しない。 『コデロ、大丈夫か?』 「なにも問題はありません。ベルト様は?」 『モヤモヤが、ウソのように晴れていった。みんなを思う心が、オレに力をくれたんだ』  リュートは改めて、自分は一人で戦っているわけではないのだと感じた。  『そんな理由で、コウガが復活してなるものか!?』 「かくなる上は……」  なんと、怪神が自分のベルトを引きちぎったではないか。 『なにをする、スケルディング!?』 「怪神ヘルに変身できれば、お前などに用はない」

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