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「爆発した?」  怪人の燃えかすを見下ろしながら、コーデリアはつぶやいた。 『コウガは、敵の魂さえ焼き尽くす。また、相手の肉体をゾンビ化することも防ぐらしい』  徐々に、コウガの変身が解けていく。 『いかん。まずは炎を沈下せねば』  変身が解ける寸前で、コウガは手を炎へとかざした。  コウガの特殊能力の中に、「冷凍ガス」という力がある。 『冷凍ガス発射!』    手の先から、手から冷たいガスが発生した。  何もない空間から、取扱説明書が勝手に開く。 『炎の魔法と氷の魔法を合わせて、ガスを放出する仕組みか』  説明の項目にはそう書かれていた。  ガスを放った周辺から、炎がみるみる消えていく。 「これでよし。ん?」  ノドの調子が、戻っている。コウガから変身解除されたことによって、肉体の主導権が、コーデリアに戻ったらしい。  衣装ダンスの隣にある姿見に、姿をさらす。  裸の少女が、全身に映っていた。  金色だった頭髪は焼け焦げ、短い茶色の髪に変わっている。顔や身体のヤケドは、すっかり元通りに修復されていた。 「初めて、殿方に裸を見られましたわ」  恥ずかしげに、コーデリアは身体を手で隠す。  それでも、少女にしては豊満なバストは隠しきれない。 『気にするな。オレにもう身体はない。変な気分にはならないさ』 「私が気にするんです!」  ムッとしながら、コーデリアはタンスを漁る。 『おい女神、どういうことだ? どこにも、身体に異常がないぞ』  リュートは、虚空に向けて問いかけてみた。  あれだけ重傷だったのに、ほぼ全回復しているではないか。これも奇跡というのか? ――せっかくだから、特典を設けました。コーデリア王女のヤケドも治してあげましたよー。あなた方に死なれると、こちらも困るので。けど、あなたの遺伝子もちょっと混ざったので、もはや別人ですけど――  オッドアイも、眼球を修復するついでに、リュートにもコーデリアと同じ視覚を与えたかららしい。  どうやら、女神の方にもこの世界にリュートを召喚したかった事情があるらしい。  コーデリアが見ている世界を、リュートも同じ目線で見る事が可能になっている。  けれども、記憶の共有はできていないようだ。 ――ただし、あなたとコーデリアさんは一心同体でーす。どちらが一方が死ぬと、両方とも死にまーす。なので、ご用心をー。私からのサポートはこれっきりでーす。あとはご自身で謎を解き明かして下さいねー。さよなら~ぁ――  女神の声が、聞き取れなくなった。 「今の方は? 誰と、お話ししていたのです?」 『オレをこの世界に呼び出した女だ』  心の中で、コーデリアと会話する。 『女神だとか名乗っていたが』 「その方が、あなたをここへ召還したのですね。ならば、感謝せねば」 『でもいいのか、オレが死んだら、あんたも死ぬと言っていた』 「構いません。復讐の機会を得られたのですから」  物騒な言葉を聞き、リュートは不安な気分になった。

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