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 特訓は、数日続いた。  朝早くから採石場でトレーニングをして、コウガの限界を知る。 「トレーニングは順調?」  カウンターに頬杖を突きながら、ミレーヌはコデロが食べている様子を見つめてくる。 「はい」  三杯目を平らげ、コデロはおかわりをした。  よく動いたからか、カレーライスが余命にウマイ。  午前は素手で、午後は武器を使って修行だ。 「コウガの性能は、分かってきたか?」  手酌で酒を飲みながら、ダニーは聞いてくる。つまみはない。 「とんでもない武装ですね。経験を積む度に強くなっていく。戦うごとに成長する武装なんて初めて見ました」  なにより、「リュートが見てきた特撮ヒーローの動きをトレスできる」という、新しい発見があった。といっても、格闘と武器戦闘術だけである。装備までベルトで再現できるわけではない。 『一番驚いたのは、コデロの戦闘センスだ』  元騎士というだけあって、コデロは筋がよかった。  よその世界で使われている未知の格闘術を、彼女は軽々と習得している。 「ベルトちゃんも、コデロにメロメロじゃん」  ミレーヌまで最近、リュートを「ベルトちゃん」と呼ぶ。  「それこそ、コウガが危険視された理由でもある」  重苦しい顔を浮かべ、ダニーがグラスを傾けた。  コデロは食べる手を止める。 「遙か昔に、コウガは戦闘兵器として開発された。単独で魔物を倒し、大群を蹴散らすコンセプトで。怪人を倒す守護神として」  ダニーの説明は、怪人のアジトにて発見した資料によるモノだ。  コウガのような人口戦士は、世界各地でも見られたという。  彼らは魔物を屠る神々とも言われたが、自らが破壊者となったコトもあった。  どうやら、リュートが呼んでいる怪人とは、魔物を指すらしい。 「オレの住んでいた世界でも、魔物と呼ばれる怪人の伝説はあるぞ」 「そうなのか? ベルトの兄ちゃん」  リュートの話す内容を、ダニーは食い入るように聞いていた。興味深く、耳を傾けている。 「多分だが、世界はなんらかの方法で繋がっていて、情報も共通しているんだろうよ。お前さんたちの世界で言う神々は、こっちでも神々だ、って可能性はある」  地球での神話は、同じようにこの世界でも言い伝えとして残っているらしい。伝承のされ方が違うだけで。 「ただ、この世界じゃ、魔物の伝わり方が違うようだ」  魔物とは、神々が作った実験体だったとか。  その素体として、人間という種族は生まれたとも言われている。 「魔物に対抗するために作られた存在、それがコウガだ」

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