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 コウガは、トドメの体勢に入った。 「おのれえケケーッ!」 「死ねコウガ、オルアーッ!」  二体同時に、怪人が襲ってくる。  腰を落として、コウガは全身の魔力を両足に流し込む。 「……レイジング・キック」  両足に、コウガは破邪のエネルギーを込めた。 「トゥア!」 「ケケー!?」  コウガは白い怪人のノドへ、一撃を見舞う。 「オルア!?」  黒い方の怪人へは、こめかみに回し蹴りを浴びせた。 「デヴィランに入って、ノゾキ放題だと思っていたのに。ケケーッ!」 「おお、デヴィランの神ヘルよ。オレが死んでもオナゴへのボディタッチを許し給えオルアーッ!」  最悪な断末魔を上げながら、怪人たちは白と黒の爆風へと成り果てる。 『コデロ……妙だ。この煙は!?』 「煙が、晴れない?」  爆発で起きた白と黒の煙が、いつまで経っても消えなかった。それどころか、煙がコデロを取り囲むではないか。 『な……』 「変身が、勝手に解除されていきます」  なんと、コウガの変身が解けてしまった。  ようやく煙が晴れたが、コウガは元のコデロに戻っている。変身のポーズをとっても、姿が変わらない。 「ダメです。変身できません」 『くそ、ヤツラの狙いはこれだったのか!』  変身機能を壊されては、怪人と戦いに支障が出る。こんな場面で怪人に襲われたら。 「フハハ、どうやら作戦は成功のようだね!」  最悪のタイミングで、怪人が姿を表す。上半身が美女、下半身がイカになっている怪人が、触手で這いずりながら屋根を登っていた。 「あたいは、イカ怪神【エキドナ】! あんたがさっき殺した、ケルベロスとオルトロス兄弟の母親だよ!」  自分の子どもが死んだというのに、やけに誇らしげだ。 「息子たちは、いい仕事をしてくれた! ヤツラはヘル様の元で幸せになっているだろうよ! さすがは我が息子たちだ! 母の言いつけを守り、しっかりと使命を果たして死んでくれた!」 『オレたちを変身させないために、自分の息子たちをダシに使ったのか!?』 「我が子はいわば、デヴィランの手足に過ぎぬ。このあたいだって。なにがいけない?」  息子たちの死を悲しむどころか、名誉なことだと考えているらしい。 「アロガントの王妃と、同じですね。自分の子どもすら道具に過ぎません」 『ああいうのを、世間では毒親というのだ」  だが、どうする? コデロがいくら強いと言っても、怪人が相手では。 「とはいえ、あたいだって人の子だ。しっかりと仇は取らせてもらうよ!」  無数の触手が、コデロに迫ってきた。  しかし、そのことごとくは何者かの斬撃によって切り刻まれる。  「エスパーダをお忘れですわ」

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