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『トゥアッ!』  コーデリアの記憶を呼び覚まし、剣術を振るう。必要最小限の動作で、相手の攻撃をいなす。  踊るような、きめ細やかな動きに、ペンギン怪人はすっかり翻弄されていた。いいところがまるでない。 『不思議だ。オレはコーデリアではないのに、コーデリアのように動けるぞ』  相手の動きが手に取るように分かった。対処法まで頭に浮かぶ。彼女は、並の冒険者とは一線を画す存在だったらしい。 「自分でも不思議です。こんなにも身体が軽いなんて。私にも、ベルト様の持つ戦闘データを読み取っているのです」  リュートは今まで、多くの特撮番組を、戦闘シーンを見てきた。そのデータを、コーデリアは分析し、自身の動きに反映していたのだ。 「どうしてよ、なぜ一発も当たらん?」  ペンギン怪人には、現状が理解できないらしい。 「私は、一人ではないからです! トドメ!」  怪人が放った縦一文字斬りを、コウガは両手に持った剣で弾く。返す刀で、怪人の胴体をX字に斬り捨てた。  腹を押さえ、怪人は苦しみだす。 「デヴィランに栄光あれぇ!」  苦悶の表情を浮かべ、ペンギン怪人は爆発した。  リーダーを失い、他の戦闘員も倒れる。 「全員が絶命している」 「秘密漏洩防止の処置だろう。改造技術を世に知られるわけにはいかないからな」  勝利して変身を解いたコデロに、歩み寄る人影が。  「おお、あんたはいつぞやの!」  斧を抱えたオーガの女剣士が、コデロの手を叩く。  大きく撒いた両のお下げが印象的で、ナースキャップのような布飾りを被っている。コデロとは、身長が頭一つ上だ。 「また、アンタに助けられたね。ありがとうよ」 「あなたは、ドランスフォードにいましたね?」  住民たちを避難させた冒険者の中に、彼女がいたのを思い出す。 「アテムってんだ。響く鬼の息吹アテム」  オーガ族の少女が、斧を担ぐ。 『変わった苗字だな?』 「オーガ族は、所属している部族の名を、苗字としています」  コデロが教えてくれた。 「響く鬼……てことは、ブルレンの親族か?」  ダニーが尋ねると、「おうさ」とは答える。 「おやっさん、ブルレンって?」 「お前さんも会ったことがあるだろ。フーゴのギルドマスターだよ」  アテムはブルレンの娘であり、ブルレンに認められ、アテムは最近になって自立したという。 「そういうアンタは、ダニー・バンナだっけ。話はオヤジからきいているよ。どえらい発明家だって」 「この歳で隠居していたがな。ブルレンとの仲だ。よろしくな」  アテムとダニーが握手をかわす。

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