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「?」となる三人。 「三人とも......外で目立ちすぎ!!」  ツンデレネコ娘ナル。  説教開始。 「えっ???」  「えっ?じゃなくて!まず店長!」 「な、なんやねん?」 「当たり前に猫耳と尻尾さらしてゴミ出しするとかありえない!」 「な、なんでアカンねん?」 「だから目立ち過ぎなの!」 「で、でも、獣人コスプレしとる子なんかいっぱいおるやんか?レイヤーゆうひと?」 「コスプレイヤーも朝のゴミ出しにコスプレはしません!」 「そ、そうなんか?」 「そうです!だからこれからは隠すなり何とかしてください!」 「せ、せやかて、ネコ娘から猫耳と尻尾取ったら、ただの娘やんか!」 「フツーはみんなただの娘なんです!」 「ウチらはフツーのネコ娘や!」 「ネコ娘って時点でフツーじゃありません!」 「ガーーーン!」 「と、とにかく、もう少し目立たないようにしてください!」 「そんなぁ~ネコ娘の何がアカンのやぁ」 「そ、そういう訳ではないですか」 「ほんならウマならええんか?」 「それは別の意味でダメです」  しょぼんと耳を垂らして落ち込むアミ店長。  続いてナルは、ハヤオンと千代を指差す。 「次は、ハヤオンと千代!」 「なに?」 「なんでござるか?」 「あなたたちは......」 「猫耳?」 「尻尾でござるか?」  ナルは大~きく息を吸って......声を上げる。 「耳と尻尾以前の問題よ!!まずはハヤオン!」 「う、うん?」 「街中でさも当たり前に魔法の箒で飛ばないで!ファンタジーすぎ!」 「ええ?ダメなの??」 「目立つにもほどがある!」 「でも、交通費かからないで済むし...」 「そういう問題じゃない!」  しょぼんと耳を垂らして落ち込むハヤオン。  ナルは続ける。 「そして千代!」 「拙者の何がイケナイでござるか?」 「朝っぱらから街の川の水面を走らないで!忍者すぎ!」 「だ、駄目でござるか?」 「目立つにもほどがある!」 「良い有酸素運動になるのでござるが......」 「フツーに地上を走りなさい!!」  しょぼんと耳を垂らして落ち込む千代。 「......まったく!もう少しネコ娘としての自覚を持ってもらわないと!」  腕を組んでフンっ!と鼻を鳴らしプンプンするナル。  とその時、 「おはようございまーす!」  元気な挨拶と共に遠藤さやが皆の前に現れる。 「あれ?どうかしたんですか?」  ナルに向かい耳を垂らしてしゅんとする三人のネコ娘を見て、遠藤さやはキョトンとする。 「アミさんとハヤオンさんと千代さんが耳を垂らしてる?......ハッ!もしかして......」  遠藤さやは閃く。 「スコティッシュホールドの真似ですか!?カワイイ~!!」 ※スコティッシュホールドとは、折れ曲がった耳が特徴の猫の一品種である。(立ち耳の子もいる) 「きゃー私、スコティッシュホールド大好きなんです!アミさん、ハヤオンさん、千代さん、みんなカワイイー!!」  目をハートにしてきゃっきゃする遠藤さや。  彼女は、はしゃぎながらもふいに気づく。 「あれ?ナルさんはやらないんですか?」 「え?わ、ワタシ?」  ナルはうろたえて訊き返す。  「ナルさんのスコティッシュホールド。超カワイイんだろうな~」  遠藤は目をキラキラと輝かせてナルを見つめる。  ナルはしどろもどろしながら、コテンと耳を垂らした。 「こ、こう?」  遠藤さや。  目のハートマーク、爆発。 「か、かかかカワイイーーー!!!」  輪をかけて興奮する猫好き女子大生、遠藤さや。  この時、せっかくのナルのお説教が台無しになってしまった事を、遠藤さやは知らない。  この日の遠藤の休憩時、アミ店長とハヤオンと千代からやけに豪華なまかないが提供された理由も、遠藤さやは知らない。    なお、この日以降、アミとハヤオンと千代が、それとなく目立つ行動を慎しむようになった事は補足しておこう。  ただし、ナルの前でだけだが......。

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