魔女のお茶会
最終章⑫(  ― )

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(だめ、華茂。本当にだめ。私だけでいい。私だけで、いいのです) (傷つかないで。あなたが傷つくのだけは見たくない。だめ……)  なにを言っているんだ、それは間違いだ、大いなる間違いだ、行く行く行く行く、燕のためならどこまでも行く、霞んだ天上にでも地の果てにでも行こう、たとえこの身がどうなっても、全てをかけて行く、全てを、全てを全てを全てを全てを、それが好きだということなのだ、愛しているということなのだ、必要だと、いうことなのだ!  華茂の首に裂傷が入る、手で押さえる、ぬるりぬるりぬるり、(ザザザザ……)傷口からもう一枚皮が剥がれる、あうあああああああああああああああああ! 眼球に指を突っこまれたよう、百億の心が華茂を絶命させようと、刺す刺す刺す刺す、破る破る破る! 死へ手招きをするがやはりそんなものは燕の手招きと比べようもないのだ!  うあぁぁっわあわぁゎゎわぁあぁぁぁぁわぁぁぁあうあうおあうおあおあおあうおああああぁあああぁうおあおあうあおおあうおあうあおうおあおあおあああああおあおうあおうあッッッッッッッッうあおあうをうをあうあおうおわうおうおあ!!!!!!!!!! (私など、大した存在ではないのです。華茂には、もっといい人が現れます) (だから華茂、生きて。私を忘れて。どうか、生きて……)  好きだ、自分は燕のことが好きだ好きだ好きだ、どうしようもなく好きで好きで好きで好きで、たまらなく好きで好きで好きで好きで、こんなにもこんなにも好きなんだ! ここで終わってもいい、だけど最後の最後まで、好きでいさせてほしい! あなたの笑顔、あなたの背中、それが自分の全てなのだ、好きでい続ける、自分の全てなのだっ!  華茂の内臓に猛毒が流れこんでくる、胃は破れ、腸は何者かに(ザザザザ……)ねじり潰される、骨を丁寧に(ザザザ……)砕かれ、それでもこの手への浸食だけは(ザザザ)回避する、心臓を掴まれ(ザザザ……)肺胞のいくつかを(ザザ)それでも、それでも。  ぐあがうぐあおあうごあうがおうごあうがおうごあうごあぁぁ…………。 (華茂、もう、苦しまないで。私の……私の……) (大好きな、魔女)  身体中の! 痛覚を、痛覚を(ザザザザ)粘膜を破られ(ザザザ)それでも死守する、手と、そして(ザザザ!)顔を! 死なない(ザザザ……死ね死ね)死なない、死なない死なない、(蒸発しろ)爪がめくれていく、ゆっくりと、味わわれるように、ゆっくりゆっくりゆっくりゆっくり(死ね死ね死ね死ね死ね)死なない死なない死なない死なない死なない死なない! (ザザザザザ……)黒が黒が黒が、光と交わり透明と化して、それがあの世の色だと華茂に告げる、が、あの世など見たこともないし見たくもないし、(死ね死ね死ね死ね)まだまだ生き続けるのだ、燕と一緒に(一緒に死ね)まだまだ笑い合うのだ、この世に生き続けるのだ(ザザザ! ザザザザザザザ!)  わたしは、燕さんと一緒に!  生きるんだッッッ!!!!!!  届け。 (死ね)  届け届け届け届け届け! (死ね死ね死ね死ね!)  届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届け届けよおおおおおおおおおおっっっ!!!!!! (し、ね) (し……)  ザザザ…………、  ザザ…………、  ザ。  ――――――――――――――。  ――――――――。  ――――。  ――そして。  華茂の手に。  柔らかい感触が、あった。  それはまるで、光の粒を集めてできたようななめらかさで。

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