魔女のお茶会
未来――β
ナンドンランドンは大きく振りかぶり、虎の手でフックを放つ。 華茂は踵でザザザザ! とブレーキをかける。それに合わせて、ナンドンランドンもフックを止めた。つまり、フェイントだ。華茂が一瞬、やられた、というような顔をする。そこで思いきって、胸郭を押してやる。華茂は炎を纏った上段回し蹴りを放ったようだが、バランスを崩しているためナンドンランドンには届かない。そしてすぐさま、ナンドンランドンは後方へと小さく跳ねる。 『吹けよ青嵐、巻き上がれ乱風!!』 ナンドンランドンがさっき立っていた場所に、小さな旋風が巻き起こった。 しかし座標をずらしてやったのだから、当然ナンドンランドンには当たらない。 『火龍!!!!!!』 華茂がいちかばちかといった感じで殴りかかってきた。だが、とろい。こんな拳を食うナンドンランドンではない。ナンドンランドンが棒蹴りを放つと、そのリーチの差ゆえ蹴りが華茂の腹部に入り、逆に華茂の拳はナンドンランドンに届かなかった。 ちょうどカウンターとなる形で入った。華茂の身体は激しい痛打を受けた形で空転した。大きな、叫び声をともなって。 ナンドンランドンは、思う。 【この未来を、採用】
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