皆様、こんにちは。 木野かなめです。 本作『魔女のお茶会』、楽しんでいただけたでしょうか。 この企画のお話をいただいたのは、2022年の三月のことでした。 概要欄にも記載しましたとおり、小説✕音楽✕ボードゲームというプロジェクトの中で、私は原作の小説を担当させていただきました。 プロジェクトとして最初に共有した設定は『架空の惑星アニンにおいて、人間側の魔女五人とアンチ人間側の魔女五人が戦う』というものです。そして、『かわいい魔女を描く』というコンセプトがありました。つまりバトルはおまけのようなものだったのです。 まず、どうすればこのコンセプトを十二分に生かせるか? と考えました。 本作にはメインとして十人の魔女が出てきますが、これは一般的な小説作品にしては登場人物の数が多いのです。だったら、バトルの部分にフォーカスすることで魔女たちの魅力を伝えることができるんじゃないか? そう思った私は、バトルに重きを置く書き方をしてみようと考えました。 実のところ、私はこれまでにあまりバトルを書いたことがありませんでした。どちらかというとアオハル小説! みたいなのを得意としてきたのです。だから本作は私にとっても挑戦でした。幸いにも好評をいただきましたので、本作を一つの経験とし、これからさらに描写を磨いていきたいと思います。 バトルをメインとする上で、文体はなるべく漫画的に仕上げました。おそらくですが、ライトノベルよりもさらにライトになっているのではないでしょうか。擬音を多用し、詩的表現を随所に加えました。詩的表現については私の書き方の特徴でもあるのですが、本作ではこれが特に多かった印象です。魔女が十人もいるわけですから、感情の量も比例して増えるわけですね。 また、もう一つSF要素というのを独自に加えましたが、これは従来私の得意とするところでした。蘭麗の宿命、穢れの正体など、書いていて楽しかったですね。あと、ナンドンランドンの魔法と華茂の穢れ突入のシーンについて、これは小説的に面白い見せ方ができるぞ! と、一人ほくそ笑んでいました。とにかく、書いていてとても楽しい物語だったといえます。作者の私も一人の読者としてこの物語を楽しませていただきました。 一方、キャラクターの書き分けはちゃんとしなければならない、と考えていました。通常の小説に比べてキャラクターの数が多いですからね。かぶってしまったり、あるいは読者の方にとり違えをさせてしまってはいけません。ここは充分に注意したつもりです。結果として、面白い魔女たちがたくさん活躍してくれました。魔女のみんな、ありがとう。 そういえば当初、マロン⇒華茂⇒燕 の順に書きやすいだろうと想像していました。でも実際蓋を開けてみると、チャーミの書きやすいこと書きやすいこと。あの独特の口調は書いていて楽しかったです。ちょっと変な人を書くのが好きなのかもしれませんね、私は。 皆さんは魔女たちの誰かと仲良しになっていただけましたか? そうだとしたら、きっとその子はたいへん喜んでいると思います。 しかし、この半年の間にたくさんの経験をさせていただきました。 そもそも定期連載というのが初めてでしたので、毎回締め切りとの格闘でした。本当は書き溜めができればよかったのですが、読み直しも含めるとやっぱりギリギリになってしまうことが多かったです。たいへん申し訳ありませんでした。 そのほか、たくさんのクリエイターの方、そしてプロデュースをされる方と一緒にお仕事ができたのは私の財産になりました。 というわけで、ここからは謝辞を。 囁揺的音楽集団AsMRのみなさま、AsMRのファンのみなさま、マッシュアップエンターテイメントのみなさま、A-Line Musicのみなさま。 本プロジェクトにおいてすばらしい音楽をご提供くださり、まことにありがとうございました。Ayakaさんの見事なウィスパーと、はかなく、かつ力強いヴォーカル。Ginaさんの情熱的なギター捌きと、指が喜ぶような速弾き技術。Milliさんのピアノは一音一音に意思があり、まるで世界を固定させるかのようでした。Eschikaさんのバイオリン技術は極上で、このバイオリンがバンドを線で繋いでいるように聞こえました。 youtubeではことあるごとに「魔女のお茶会」を取り上げてくださり、また、ライブにおうかがいしたさいにはトークに参加させてくださり、ありがとうございました。昼間なのに「こんばんは!」とか言ってしまってごめんなさい。 太田彩華さま、レインボータウンFMのみなさま、小野木さん。 人生初のラジオ出演、ということでとても貴重な経験をさせていただきました。噛んでばかりですみませんでした。今度は自由律俳句だけでなく、古典定型句の話もさせてください。徹夜で語れます。 ちょっと現段階では具体的に書けないのですが、○○○のみなさま。 これからプロジェクトでたくさんの発表と展開をされると存じます。 心より楽しみにしております。一緒に仕事ができることを、たいへん嬉しく感じております。 ステキコンテンツのみなさま。 過分な機会を与えてくださり、まことにありがとうございました。 本当に過分だと思いました。しかし、そのお気持ちに応えられるよう尽力してまいりますので、今後ともどうぞよろしくお願いいたします。 そして。 本作に遊びに来てくださった、読者のみなさま。 あなたです。あなたが華茂たちとともに歩き、この物語を紡いでくださいました。 心から、心からの謝辞を送らせていただきます。 ありがとうございました。 さて今は、とうとう終わってしまったなぁ、という少し寂しい気持ちです。 でもまた、どこかで。 本作の続編かもしれませんし、まったく別の作品になるかもしれません。 だけどみなさまと永く繋がっていられることを願いながら、こちらであとがきを結ばせていただきたいと思います。 ありがとうございました。 2022年9月24日 ひるぜん焼きそばを食べながら 木野かなめ
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