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(添い寝な訳ないでしょう!?) わぁもう、大きな声出さないでよ。これでも小心者なんだからさ。 (明日の決闘、負けたら どうするんですか!?従僕ですよ!自由無しですよ!?そうなったら、思うような活動はできませんよ!?) そうかもねぇ。 (そうかもって……) 昼間も言ったでしょ、大丈夫だって。心配することないよ。 (そうなんでしょうけど、あんなメリットの無い戦いする必要ないじゃないですか!明日の決闘、棄権しましょう。) 棄権て……そんなのしたら、メンツが立たないでしょ? (そう言うと思って、私の方でも色々調べました。《双方同意の下》って文言がありましたけど、学園式ってルールによれば、定刻までに現場に足を運んで、ようやく成立するらしいじゃないですか!こっちは了解を出していないのに、勝手に話が進んでて、おかしいなと思ったんですよ。) 改めて思うけど、凄いクソルールだな……誰得なんだ……? (ルール制定時は”そういうご時世“だったんじゃ無いですか?) どういうご時世だよ。 というか……女神さん、何も分かっていないね。 (分かってないって……何がですか?) 俺じゃなくて、クロス君のメンツが立たないって言ってるんだよ。 彼は、百数十年も続く名家の子……それも国を支える騎士団長の子だ。 幼少の頃から与えられてきた、期待由来のストレスは計り知れない。 その最中に、畏怖すべき存在である商人の子から貶された。 無視しても良いが、それじゃ学園内でのメンツが保てない。 だから決闘を申し込んだ。 でも、俺がそのまま降りたら、その間抜けに振り上げられた拳はどうする? 引いたらダメ、押してもダメかもしれない。 俺からナメられた時点で、クロス君は詰んでたんだよ。 (じゃあ、そのまま降りちゃえば良いじゃないですか……?) 『分かった上で、あえて踏みにいく地雷原』ほど、生を実感するモノがなくてね。 (そうでした……貴方はそういう人でした……) ま、読者はそういう『余計な事をする主人公』が観たいだろうなってことさ。 (自意識過剰だと思いますけど……) はいはい、そんなわけだから、彼の為にも俺は戦わなくちゃダメなの。 そもそも、消化試合となんら変わんないから、はい、帰った帰った。 (……頼みますよ。) あたぼうよ。 ……さ、今度こそ寝よう。 万全の状態で戦って、目的を完遂するんだ。 何せ、そのままの意味で”この世界の未来”が、かかってるんだから。

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