ほら、君らの好きな『異世界転生モノ』だよ
《1−0−1》この異世界モノは、トラックで撥ねられるタイプだよ。

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ん……ここは……? 俺はあのままトラックに撥ねられて…… でも、ここは病院じゃない……? なんだかよく分からない所にいる…… ハッ!ということは、ここは……!!! 「その通りです。あなたは転生者に 選ばれました。今後は……」 あ〜はいはい、そういうのいいから。 アレでしょ? いわゆる“異世界転生”ってヤツでしょ? 「は、話が早いようで助かります。今から貴方には”ブルバ”に行って……」 だから、そういうのいいって。 大体さ、前世の最後の記憶が『トラックに轢かれる』って、どんだけベタなんだよ。 コッチに呼ぶにしても、もっとマシな呼び方が、あったでしょう? 老衰とか病死とか、ノートに名前書いて心臓発作を起こさせるとかさ。 「でしたら、トラック転生も立派な呼び方なんですよ?」 ”トラック転生”が公式認定されてるとか、世も末だな オイ。 てか、そんな善良な運ちゃん一人、罪人に堕としてまでやる事かよ。 さては、悪魔か何かか!? 「女神です。」 そうかい、女神さん!今日も美しいよ!初めて会ったばかりだけどな! てか、なんでこういう案内役って、大体”女神”なんだろうな? 下手すりゃ「女性ばかりに、その役目を押し付けるな!」って、自称フェミさんが怒ってくるぞ? 「なんの話!?というか、どこ向いて話してるんですか!?」 あぁ、ごめん女神さん。気にしないで。 なーに大丈夫。少々身を焼かれるくらいが、世の中楽しめるってもんさ♪ 『自分で見たいものを生み出しもせず、文化の足を引っ張ることしか脳のない怠け者』の小言なぞ、気にせず楽しんでくれよ読者諸君! 「あの、話を進めたいんですけど!?」 あぁ、どこまで話したんだっけ? 食事デートするなら、俺は『躊躇なく サイゼを選ぶタイプの男』なんだけど、それでも好きになってくれる? 「その話を聞いて、好感度が地中を潜り始めました……じゃなくて!今から、貴方には転生してもらい、そのまま世界を救うために戦ってもらいます!」 えぇ〜死んだら、ゆっくり余生を過ごそうと思ったんだけど……拒否権てない感じ? 「拒否はできますが、その場合タガメに転生してもらうことになります。」 なんてこった!エンジェルビートルで言っていた事は、本当だったのかよ! 「ビートルではなく、ビーツでは?」 わざわざボカしたのに、修正するんじゃないよ。 「それで、転生されますか?それとも……人の身で生きるのは疲れましたか?」 ……はは、痛い所を突いてくるね。 ストーカー規制法に則って訴えてやりたいよ。 そう、彼は幼少期の引っ込み思案な性格から、周囲からいじめられてきた。 暴力にカツアゲといった表だったものから、上履き隠しや呪いの手紙などの陰湿なものまで、イジメのフルコースは 一通り味わった。 その結果、彼の精神は他者から見て、歪んだ形に成長してしまった。 その後も、受験には失敗し 就職もうまくいかず…… 家に引きこもる、いわゆるヒキニー……って! なーに適当なこと 言ってんだ!勝手に人の個人情報を流すな! この話が『クソテンプレート異世界転生 小説』だってことに、読者が気づいちゃうだろうが! 「どこに怒ってるんですか!?」

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