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そうして、時は経ち数か月後。 スリングの腕の傷もすっかり治り、約束通りお家を建てて2人で暮らしていた時のことでした。 果たしてどこからそんな噂が流れたのでしょうか。 「森の泉で斧を落とすとイケメンと同居できる」という話が一部の人間に流れてしまったのです。 それを聞きつけた1人の意地悪なお姉さん。 なんと全財産を投げ打って、ありとあらゆる斧を購入し、噂通り泉にやってきては次から次へと斧を投げ入れました。 ぽちゃん。ぼちゃん。ばっちゃーん。 何個も何個も斧を落とすも、一向にイケメンは現れません。 バシャん。バッチョン。ビシャン。 それでもイケメンは現れません。 それもそのはず。 何故なら彼は、既にもう新居で愛する人と一緒に暮らしているのですから。 彼女のしていることはただの不法投棄。迷惑でしかない行為なのです。 ついに手持ちの斧が無くなった意地悪姉さん。 お金も心も空っぽになったまま、トボトボもお家へ帰っていくのでした。 そして後日、「そういえば最近泉に行ってないから掃除に行かなきゃ。」と言って泉に向かった彼は、 何故か泉の中に大量の斧が入っていることに絶句しました。 こんなに大量の斧、ゴミの日に出したら怒られてしまう。 とはいえ、泉の中に入れっぱなしにしてもサビて汚くなってしまうし、 家にもあんなに大量の斧はいらない。 さて、どうしたものかと思いそれを彼女に相談すると、 「よし。売って金にしよう。」と爆速で回答が得られたのでした。 その後、2人で仲良く斧を町へと売りに行き、 売れたお金は新婚旅行のためのお金へと早変わりしました。 「急に斧が沢山投げ入れられていた」という話を聞いた木こりは、 取りあえずは大きく「斧廃棄所ではないので勝手に捨てるな。 次捨てたらしばくぞ。」と半ば脅しの様な木の看板を立てました。 何をするにも、どこに行くでも一緒の2人は、 いつまでもいつまでも仲睦まじく暮らしましたとさ。 めでたしめでたし。

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