第六章 1.― DOUBLE KILLER ― アニメや映画みたいな世界になってきてるな。最初に頭に浮かんだ感想はそれだ った。 立体端末でアクアセンタービルの図面を眺めつつ、別窓に表示された動画を見な がら世の中の進歩とやらを実感していた。 動画には小さな黒い粒が独りでにうねうねと生き物の様にうごめき、様々な形状 に変形していた。大小様々な形状のケースや、規格に問わず物と物をしっかり繋ぎ 合わせて固定するアタッチメントにもなっていた。粒の密度を調整する事で強硬に も柔軟にもなると、動画の中のエンジニアが得意気に話していた。 “マイクロ・マグネティック・システム”。磁力を帯びたマイクロサイズのユニ ットが自由に変形する事ができるそうだ。――これなら合点がいく。 「な、コレっぽいだろ?」 例によって、ウィンストン記念図書館の多目的オフィスを独占して秋澄と調べ物 とアクアセンタービルの見取り図から計画を練っていた。 今日は午前中からずっとここで缶詰めになっている。不意に見た壁時計は十九時 を回っている。 秋澄に頼んだホームワーク。その答えがマイクロ・マグネティックだった。 「そうだな、磁力か……。こんな物まで身体に取り込めるとは。サイボーグ技術は 正に機械と肉体の融合だな」 「例の適合率が九〇パーセントを越えるなら、理論上どんな物でもインプラントで きるって言うからな。羨ましいよ」 そのスペックなら既に知っていた。今は最も俺の近くにいる相棒が、それを証明 している。 人の脳とコンピューターの融合。意思や欲求をデジタル化してあらゆるデバイス に侵入し、自在に弄ぶ。感情と衝動次第では、この世界を混沌へ陥れる事さえも容 易く実行できる存在。 秋澄から漏れる義手と義足への不満、或いは劣等感か。最近になって秋澄が今日 までその苦労を見せる事なく振舞っていた事に尊敬の念が沸く。 それとも、その事に目を背けて罪悪感から逃げていただけなのかもしれない。 「いずれお前の適合率でも、腕や脚を代えられる日が来るといいけどな……」 「それも悩ましいんだよな。一応、思い出と言うか、なんと言うか……。ルーネに 会いたいなぁ……。って鉄志に気軽に話せるのが、こんなに身軽に思えるとはな」 「それは何よりで……」 正直なところ、今だに秋澄がゲイだなんて信じられないし、実感はなかった。ガ キの頃からずっと一緒だったから。俺の感覚はそのままだった。 負傷して、俺や仲間達から離れて独りになった時の秋澄が、俺にとって唯一知ら ない秋澄だった。その時に秋澄は自分の人生を歩み始めたのだろう。 今はまだ、自分自身の事で手一杯だが、いずれ聞いてみたいものだ、ノルウェー での秋澄とルーネの話を。 「ところで、なんでイワンの腕の事なんて調べるんだ? まさか、本気で殺る気じ ゃないよな?」 秋澄の心配そうな物言いは、お前では勝てないぞ、と遠回しな調子だった。気に 食わない。 集中して、気兼ねなく殺していいって状況があれば、俺は負けない。大人気ない が自信はあった。――見くびるな。 「ただの知識だよ。今後サイボーグを相手する時の蓄えだ。イワンの言う通りかも しれない……。“トランス・ヒューマン”が主体の世界。奴の言う通り、もう始ま ってるんじゃないかってな、蓮夢も含めて……」 「蓮夢くんがどうかしたか?」 口を滑らせてしまった。蓮夢がサイボーグだと言う事は“組合”には一切話して いない。 蓮夢の能力は、今の時代ではオーパーツの様な存在だ。 「いや、何でもない……」 煙草に火を着けて会話を切った。秋澄の顔を見れなかった。 仮に“組合”が蓮夢の事を知ったら、やはり放っておかないのだろうか。今はた だ腕のいいハッカーで済んでいるが、腕利きである明確な要素を持っている蓮夢は 分かり易く魅力的な人材と見られてしまうのか。 手を組むを決めたあの日、デモンストレーションには驚かされたが、蓮夢の警戒 心を過剰だと思っていた。しかし、そんな事はなく蓮夢の判断は正しい。 その才能と能力と隠して控え、輝紫桜町と言うの名の地獄で燻ぶっているのは不 憫に思うが。 そう言えば、輝紫桜町の出入り禁止を言い渡されてから二日。今だに連絡の一つ もない。蓮夢は何をしてるのだろうか。 そして何をしているのか分からない奴がもう一人いる。 「そんな事より、イワンは何処にいるんだ? 連絡したって返しても来ない」 「さぁな、外から兵隊共を呼び寄せて偽銃を持たせて。何を尋ねても、我々に任し ておけの一点張りだ……。求めてるのは結果だけなんだろ。義理堅く定期報告する 必要もないじゃないか。そもそも、最初に提示したプランが万全だからな。イビり ようもないんだろ」 「その点は蓮夢に感謝だな。もう時期、結果とやらも手に入れる」 秋澄の話ではここ一週間の間、イワンはほとんど此処へ来ていないそうだ。何処 で何をしているのか。国外の“組合”からどんな任務を受けてやって来たのか。 俺や蓮夢が手に入れようとしている答えの中にイワンの欲しい答えがあるのなら それは何か。そもそもそんなものが存在するのか。 時々思う事がある。イワンは既に俺達よりも、もっと先の方で動いている様な気 がするのだ。 考え過ぎかも知れないが、日本の“組合”で、この一件に関わっているのは俺だ けだった。答えが早く欲しいのならもっと人員を増やして徹底的にやるべきだ。秘 密裏に動くにしても、もっと適任者でチームを編成して然るべきなのに。はぐれ者 の俺に一任させて放置している様にさえ思える。 見方によっては、俺のやっている事は外の“組合”、イワンに任務を与えた連中 に対して、仕事をしているという体を見せる為の――アピールだけなのでは。 答えを暴くのを遅らせているのはないか、そんな考えが過る。 秋澄と河原崎の話では、外国からイワンの部隊が入国してきて、安田の用意した 装備品を手にして何かの準備をしていると話もあった。 「上手くやれてるんだな、蓮夢くんと」 「お陰様でな。ホント、大した男だよアイツは。これだけの情報が揃えばツーマン セルでも充分やれる。蓮夢の話じゃ、システムを完全掌握できれば警備のオートマ タだって味方にして操れるそうだ。アイツならやれるよ、紛れもない一流のハッカ ーだ」 秋澄から、蓮夢との向き合い方を教わって、少しづつだが俺の考え方も変わって きている。蓮夢の言う、“良い人と嫌な奴”と言う向き合い方も何となくではある が理解できた。 今になって思えば、何故俺は他愛のない固定観念に囚われていたのかと、思い巡 らす事もある。 多数と少数と言う言葉ですら、見るべきものに靄をかけているのか。 「滅多に人に慣れないお前が気に入る程だから相当だな」 「アイツとは、話しててしっくりくる。提案すれば必ず意見が返って来る、揉めて も妥協案を探し合える。初めは生意気だと思う事もあったけどな、でも蓮夢の反発 には確かな根拠もあるから精度が上がる。一通にはならない対等な双方向だ。それ がいい……」 「驚いたな……本物の相棒じゃないか」 本物も何もない、相棒という関係で組むのなら本気でありたい。チームならある 程度の重みを変えていけるが、背中を預ける関係性ではそうはいかない。 俺にとってそこまでの関係を築けたのは――涼太ぐらいだった。 と言う事は、蓮夢がそこまでの位置に来ているのか。 「そうかもな。皮肉にも“組合”の中ではなく、外の人間とそうなるのだから、分 からないもんだ。期間限定なのが惜しいくらいだ」 そう、中々惜しい話だ。殺し屋とハッカーのコンビなんて、チグハグな物に思え たが以外に悪くない連携だ。 とは言え、今回の様な特殊な任務だからこそ成立している連携だ。普段の任務な らば“見つけ出し追い詰め実行する”それだけだけの内容だ。蓮夢のスキルは持て 余してしまうだろう。 吸い終えた煙草を灰皿へ押し潰して、立体端末の操作に戻ろうとすると、秋澄の 視線を感じて不意に目を合わせてしまった。いやに神妙な顔持ちをしていた。 「鉄志、蓮夢くんを“組合”に招いたらどうかな? 俺も推薦するよ」 「馬鹿な、何を言い出すんだ秋澄。それが何を意味するか分からないお前じゃない だろ……」 反射的に俺は、秋澄に向かって拒絶の言葉を吐いていた。頭ではまだ、秋澄の言 葉をゆっくり噛み締めているしている最中だった。 蓮夢を“組合”に招く。――永遠の忠誠と引き換えに虚無の人生を保証して。 「その辺はお前から説明すればいい。メリット、デメリットを話した上で、本人が 決める。俺達だってそうだった」 そう、俺達はあの時決めた。よく考えもせずに、いや、分かっていて安易に選ん でしまったのだ。――現実を避ける事が出来そうな楽な道を。 メリットとデメリット。何故そんな表現が出来るんだ秋澄よ。こんな条件、リス ク以外に何もないって身を以て知っている筈なのに。 「冗談じゃない、他人を消耗品に仕立て上げる様な提案を“また”俺にやらせるの か?」 「輝紫桜町で生きてる蓮夢くんにとっては悪くない提案だと思うけどな。憶測で話 して悪いけど、行き場がないからあの街でセックスワーカーやってるんじゃないの か? 実力があるなら、“豊かさ”は手に入る。この国じゃまず手に入らない物だ と思うけど」 結局それか。貧しさを弱みにして金と権力、安定で釣り上げる。その先にあるの は死ぬまで終わる事のない永遠の消耗品。 確かに運良く立ち回って仕事がこなせれば、分相応な報酬と褒美も獲得できる。 だが、そんな奴は稀だ。俺も秋澄も、今を豊かさに囲まれて生きているのは単に 悪運が強かったに過ぎない。 まさか秋澄は、そんな事も忘れてしまって“豊かさ”に浸っているのだろうか。 それとも、分かった上で提案しているのか。今の俺と秋澄では、“組合”の中で も立場が違う。“組合”に対する考え方にまで――差が生まれているのだろうか。 「なぁ鉄志、何も戦場に送る訳じゃないだろ? どんな業界でも組織でも、重要な のは戦力より情報力だ。蓮夢くんの腕が確かだと言うのなら、条件と待遇は最高と 思っていい。悪くない話だと思うけどな、それにお前にも……」 俺のせいなのか、場の空気がヒリ付いてきた様な気がしてきた。それを察したの か、それとも出過ぎた事を言いかけたのか、秋澄は口を噤んだ。 立体端末の電源を落として、スーツの内ポケットに突っ込んで席を立つ。 椅子に座ったままの秋澄に近づいて見下ろす。何を言わんとしていたのか、とっ くにお見通しではあるが、言わせないと気が済まないところまで来ていた。 「何だよ、続けろよ」 「お前、目に光が戻ってきてるよ。気付いてないかもしれないが、俺や組合長から 見れば見違えるくらいに。そのキッカケが今の相棒にあるのなら……」 「もうよせ、聞きたくない……。この話はなしだ、二度とするな」 この国に戻ってきて、まともに話す相手なんて、秋澄と組合長の河原崎ぐらいだ った。俺が壊れてきてるのを気付かない訳もないか。 かと言って、相談も出来なかったし。人材に惜しみない投資をする“組合”にお いて、役立たずに居場所なんかない。 失態を晒す事になったが、組織の外にいる蓮夢だからこそ、気を許せているのは 確かだ。居心地の良さすら感じている。それでも、それを理由に他人の人生を都合 良く手元に置くなんて同調できない。 この場を離れよう、秋澄の提案が個人的な物なのか“組合”の意向なのか。心配 事が一つ増えてしまった事に気が沈んで行く。 「鉄志……」 「俺を生かす為に蓮夢を消費するのか? そう聞こえるぞ、秋澄」 逃げる様にその場を去る。逃げ場など何処にもないのに。 俺を持続的に利用する為に蓮夢を“組合”に招いて手元で飼うというのか。俺に はそう聞こえた。 結局“組合”の都合が良いだけの一人勝ちじゃないか。――癪だ。 秋澄と俺の間でこんな相違があったとは。それとも、未だに組織と意識を共有で きず、不平不満を抱いているだけの俺が、はぐれ者なのだろうか。 駄目だ、感情と思考が綯い交ぜなって吐き気がしてきた。最近、落ち着いてただ けにかなりキツく感じる。息苦しい。 ウィンストン記念図書館からの帰り道は何時も億劫だ。街の方は時間帯によって は渋滞でモタ付く。正にその時間帯だった。 秋澄との会話を中断させた事を、ここに来て後悔していた。何故向き合って秋澄 の提案を拒まなかったのか。つくづく自分が嫌になる。また面倒事から目を背けて 逃げてしまった。 蓮夢を“組合”を入れる。何があっても、それだけは絶対に避けなくてはならな い。アイツの行き過ぎた能力を“組合”で消費させてはならない。蓮夢が違法サイ ボーグである事は話さないという約束は破りたくなかった。 後ろで喚くクラクションが身体を刺す。右折サインが出ていた。急加速でさっさ と曲がる。何もかもが苛付く。 秋澄のお前を心配してと言う態度も、“組合”のやり口を実践する秋澄にも、唯 一残った大切な幼馴染の秋澄なのに。そんな違いに今まで気付けずに、勝手に絆に 変わりはないと思っていた自分に。 蓮夢も蓮夢だ、何一つ連絡もなく今日に至る。話す事は山ほどあると言うのに。 そして、もうじき輝紫桜町を横切ると言うのも本当に苛付く。その気になれば蓮 夢に会う事だってできるのに。何が出入り禁止だ。 ハンドルを切る手がぎこちなく、思う様にいかない。その事で視界も少し霞んで いる事に気付く。――不味い過呼吸が始まっていた。 一先ず無計画に大通りから逸れて車を停められそうな場所を探した。吸い込まず ゆっくり息を吐くんだ。頭に言い聞かせようとしても中々言う事を聞いてくれなか った。大丈夫、車を止めてしばらく深呼吸をして、ダッシュボードの中の薬を飲め ばいいんだ。それどころか、ダッシュボードの中には蓮夢からもらった電子タバコ だって残ってる。――大丈夫、大丈夫。 いやに人通りの多い道だった。車道か歩道かも分からない道を徐行して開けた場 所に何とか停車できた。 焦らずに深呼吸をしながら、ダッシュボードを開けて薬を取り出して、飲みかけ のコーヒーで流し込む。一粒喉元に引っ掛かるが無理矢理飲み込む。前ほど酷い事 にはならなそうだ。ちゃんと呼吸は出来てる。大丈夫、ゆっくり吸って、ゆっくり 吐き出すんだ。目を閉じて数回、深呼吸をした。蓮夢の理屈っぽい言葉が頭を過っ た。脳が少しばかりしくじっただけだ、このミスはしっかり挽回できてる。今回は 大丈夫だ。 目を開けてダッシュボードの中の電子タバコとカートリッジを取り出して、車か ら降りる。 輝紫桜町に近いせいか、周囲の建物は飲み屋や飲食店、劇場、娯楽施設の店がビ ル上階までを占拠していた。広場の様な歩行者空間は人々で賑わっている。 カートリッジをセットした電子タバコからマリファナ的な成分の煙を吸い込んで ゆっくりと吐き出した。何となくそれだけで気が楽になるが、車の運転もある。程 々にしておかないと。 賑やかな広場に屯する人々を眺めていると、違和感を感じた。みんな若かった。 もうじき二十二時になろうと言うのに、この時間帯に十代ぐらいの若者がこれだ けいる広場というのもどこか違和感を感じた。 夜の街に、若者達で溢れ返るその光景を見て、以前、蓮夢から聞いた話を思い出 した。――辺獄広場。 壁に囲まれた輝紫桜町と隣り合わせであって輝紫桜町ではない、言わば地獄の手 前。輝紫桜町の人間達がそう呼んでいる場所があるそうだ。 貧困、虐待、ネグレクト。家出やホームレスの行き場のない若者達が集まって来 る場所だと。売春にドラッグ、若者を食い物にしようする大人や警察も入り乱れて 常にトラブルの絶えない場所だと言っていた。 此処から輝紫桜町へ流れる者も多いが、立ち直せる機会を得る者もいる。まさに 手前の地獄だ。 皆一様に笑って夜を楽しんでいる様に見えたが、事情を知った上で見るこの光景 はおそろしく殺伐したものに思えた。 今まで、そんな場所を通りがかったところで気にもかけなかったが。蓮夢の影響 なのか妙に気にかかる。俺自身、“組合”と言う選択がなかったら、こういう場所 を彷徨っていたのだろうか。かと言って“組合”と言う選択肢が正解とは思えない が。結局は儘ならない世の中だと言う結論に至る。 前へ進むしかないんだ。呪いたくなる様な境遇や状況であっても。蓮夢を見てい ていると、そんな現実が重くのしかかって来る。 どうして、この世界はこんなにも居心地が悪いのだろうか。 運良く今日まで生きてこれたが、苦痛にゆっくりと壊れていくザマだ。悪い思考 ばかりが連鎖していく。煙に巻いて夜空へ吐き出した。 それにしても、俺も蓮夢に負けず劣らず人に依存する質らしいな。最近になって 気付いた。その門はおそろしく狭いものの、一度招いてしまうと深まっていくばか りだ。きっと、今日の事を愚痴れば蓮夢なら聞いてくれるのだろうな。 蓮夢の事を考えていたせいなのか、頭の後ろの方で蓮夢の声が聞こえた様な気が した。 声の方を振り向く。それらしい人影は見当たらなかった。目を凝らして行き交う 人々を見据えるた。 すると、どこかそれらしい雰囲気の男がいた。綺麗な銀髪が印象的で、見た目は 大分違う容姿をしている。清潔感のある白のロングシャツに黒のスラックス。蓮夢 に似て、中性的な雰囲気だった。髪型と服装のせいでかなり若く見えた。 距離にして六、七メートル。スーツ姿の男と話している。近付いて確かめたい気 持ちを抑えていた。 しかし、この距離でも確信した。――あれは蓮夢だ。 前髪を掻き上げる仕草や色目遣いの感じが、よく見慣れた蓮夢のそれだった。何 やっているんだアイツ。 無意識に二人の方へ近づいてしまったが。男の腕に抱き付きいて踵を返し、広場 から去ろうとしている。 一瞬だが、僅かにこちらを見て笑みを見せた様な気がした。俺はその場から動く 事が出来ない。今、何か考えて動こうものなら、全身の情報伝達がクラッシュして しまいそうだからだ。 あの二人の向かう先には輝紫桜町がある。蓮夢は躊躇なくその地獄へ向かって行 った。俺はただ、喧騒に煌めくこの辺獄に立ち尽くし、理由も分からない苛立ちと 無力感に、何となく打ちひしがれていた。
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